カーライフ

道なき道を走る超本格派の4WDが、今売れている理由

 が、このたびジープ様が、箱庭じゃない本物のオフロードを用意してくれました! 試乗コースとして、白馬のスキー場を丸ごと借り切ってくれたのです!  まずはラングラーでスキー場脇の林道を上る。これはまったくフツーで、特にスリリングな部分はない。ところが頂上についたら、「ここからゲレンデを降りてください」と言われてビックリ!  最大斜度は25度くらいか? それよりも驚いたのは、前が見えないくらい高く雑草が茂ってること! ここを分け入っていーんスか!? スゲー!! こんなの初めて~!!  ギアは「4L」で、オフロードの下り坂用の「ヒルディセントコントロール」もオン。下る速度は時速1㎞から8㎞まで選択できる。これでもう、自動的かつ安全に、雑草ジャングルのゲレンデをズンズン降りられた! 実際走ってみると、全部クルマがやってくれて、自分はほぼなんにもしてないのが残念だったけど、「これが本物のオフロード4WDってヤツかあ!」と感動した。
オートクラブ

写真の黄色のモデルは2ドアの100台限定モデル・ルビコン(589万円)。ジープ・ラングラーシリーズは2ドア(490万円)と4ドア(511万円~)で合計4モデルをラインナップ。人気なのは4ドアモデルだそうです(2ドアモデルは受注生産)

 次の試乗車はチェロキー。さすがにラングラーよりオフロード性能は落ちるが、タイヤはオフロード専用に履き替えてあるし、コースもやや難度が低いってことで、運転を担当Kに交代。さっきより若干斜度のゆるい別のゲレンデを降り始めた。  ところが。いきなりクルマが滑ってほぼ真横向きに! 大雨+雑草で、ゲレンデの一部が極限まで滑りやすくなっていた! すわ横転か!? まさに本物のオフロード体験!  ところが運転席の担当Kを見ると、凍り付いたようになにもしていない! ヒエ~! 「カ、カウンター当ててよ~!」  カウンターとはいわゆる逆ハンドルのこと。誰でも本能的にやると思うのですが、それもしない! あとで聞いたら、「何かやるとかえって事態が悪化すると思って、なにもしませんでした。クルマが自動的に立て直してくれると思ったんで~」。  昔、知り合いが、スピードの出しすぎでカーブに突っ込んじゃったとき、「今ブレーキ踏んだらクルマが吹っ飛ぶ」と思ってなにもせず、そのまま斜面を駆け上がって横転したって聞いたけど、ソレに似てる……。ヤバいと思ったら何かしようネ!
オートクラブ

余計な操作をして横転するなら、クルマまかせで横転しようと決めていた担当Kです。SPA!なんで、ジープ・ラングラーでゲレンデを転がり落ちるという伝説を作ってもいいかなと思ってました

【結論!】 結局、真横になってもなんともなかったけど、どんだけ性能のいいクルマでも、ドライバーの咄嗟の判断能力はやっぱり重要! それも含めて、いい経験させてもらいました。本物のオフロードを突き進むジープ・ラングラー最高!
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
1
2
おすすめ記事