更新日:2023年04月20日 12:19
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安倍新内閣を論評。小泉進次郎など無派閥の「お友達」を大量入閣/倉山満

第4次安倍第2次改造内閣

9月11日、新内閣(第4次安倍第2次改造内閣)が発足した/画像は首相官邸ホームページ

皇室への不敬甚だしい横畠裕介内閣法制局長官の勝ち逃げ退任を許してしまった

 ど~~せ、やる訳ないと思いつつ、以前の本欄で「皇室典範担当大臣を新設し、衛藤晟一氏を据えよ」と述べた。史上最長任期の首相を目前にしているのだから、一つでもマトモな実績を残せとの意味で、首相の盟友で皇室に対する尊崇の念では自他ともに認める衛藤議員を登用しては如何か、と述べたのだ。  アベノシンジャーズが批判を封じる際の常套句が「安倍さんに無理難題を押し付けるな」だが、閣僚任命は首相の専管事項で、これ以上低いハードルはない。ところが、安倍首相は皇位の安定継承のための皇室典範改正に踏み込む気は無いようだ。案の定、としか言いようがない。  さて、今回の改造人事を、重要な順に論評する。  まず、横畠裕介内閣法制局長官が退任した。皇室に対し不敬の限りを尽くした御仁だ。その悪行三昧は、本欄でも再三、取り上げてきた。天下り先は、最高裁判事と取り沙汰されている。6年の在任中、やりたい放題の憲法解釈を政府と国民に押し付けられたのには辟易していたが、勝ち逃げを許したのは間違いない。  なお後任の長官は、近藤正春次長の昇格だ。法制局長官は、財務省、検察庁、経産省、旧自治省の出身者が輪番で就いている。今回は検察庁出身の横畠氏から経産省出身の近藤氏だ。政権発足当初の安倍首相は人事介入を行ったが、見る影もなく順当な順送り人事に復している。  各省の長は事務次官である。事務次官会議を取り仕切る、杉田和博官房副長官(事務担当)は留任である。杉田氏は78歳、横畠氏は67歳である。安倍首相は、よほど杉田副長官を頼りにしているのだろう。  杉田副長官と同じ警察官僚出身で、内閣情報官の北村滋氏は国家安全保障局長に転出した。外務事務次官出身の谷内正太郎前局長は退任となる。北村氏は、北朝鮮が寄越した「横田めぐみさんの遺骨」を偽物と見破った実績が買われ、事務次官と同格の内閣情報官のポストが新設されたほどだ。安倍首相は、多難が続く国際情勢に外務省への不信を露わにしたということか。
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主流派体制に変わりはないが、変化は如実に表れている
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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