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2週間毎にPCR検査も、新作舞台に向けて対策に次ぐ対策/鴻上尚史

舞台俳優のセリフでは、意外と飛沫は飛ばない

 劇団「四季」さんがやった実験で、舞台俳優がセリフを喋る時に出す飛沫より、一般人が話す時に出す飛沫の方が量が多く、遠くまで飛ぶということが明らかになりました。  舞台俳優の方がたくさん遠くに飛ばしているイメージですが、科学的な計測では一般人の人の方が飛んでいました。  適正な発声は、飛沫の拡散を抑えるということです。  マスクをして、黙って、舞台を見ている状態だと、感染の危険はきわめて少ないと言われています。(もちろん、「絶対にない」とは誰にも断言できないでしょう)  現在、公演が行われている劇場では、観客同士が話していると、「お客様、劇場での会話はお控えください」と促す係員の人が多いです。  感染のおそれがある密になる状態は、ロビーとトイレでしょう。  ここでまず、観客同士が話さないことが大切です。

50%の入場制限解除も…

 50%の入場制限が解除され、100%の観客数でも良いとされましたが、「100%だと、なんだか、不安」と思われている人もいるようです。  今回の『ハルシオン・デイズ2020』も、ただちに100%にはしない対応です。  100%になると、ロビーもトイレも、適正な「ソーシャルディスタンス」を取れない可能性が高いからです。  芝居が終わった後は、密にならないように順番に退出するように計画しています。  換気は、劇場機構として常時行われています。空気が淀むことはありません。芝居でスモークを出しても、あっという間に消えていくのは、換気設備がちゃんとしているからです。  というような対策をしながら、お客様をお待ちしています。  よろしければ、いらして下さい。 「どうしても、不安」という人には、ネット配信の用意もあります。  どちらかでお会いできたら幸せです。  というか、無事に千秋楽まで公演ができたら、奇跡のような幸せだと思います。がんばります。
ドン・キホーテ 笑う! (ドン・キホーテのピアス19)

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