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国政は衆議院で決まるのではない。参院選で動く/倉山満

国民が監視を怠ると「マトモな野党」は成立しない

 昨年の総選挙以来、日本の政治は景色が変わった。特に、野党がマトモになった。国民民主党と日本維新の会は、「いつもの野党」と一線を画し、政府に対して対案を示し、与党の政策の誤りを、数字を挙げて科学的に正す。岸田首相がその都度、野党の提案を容れて修正していたが、年末の臨時国会は会期が短いので許された。通常国会は半年と長いので、「野党の修正案を丸のみ」だけでは政権が持たない。  そして4月にはおそらく、衆参両議員の補欠選挙がある。  まとめると、1月に通常国会開会、4月に補欠選挙、6月に日銀委員2人交代、7月に参議院選挙。そして来年3月に正副日銀総裁交代。こうした過程で、政府がおかしな言動をした場合、健全な批判勢力が存在しないと国民は何をされるかわからない。「マトモな野党」ということになるのだが、国民が監視を怠ると、「マトモな野党」は成立しえない。野党も政策を提案し、国民に与党と野党、どの政策が良いかを選べる政治を求めていくべきだろう。

岸田首相はデフレ脱却前から増税を言い出さないか……

 その試金石が、日銀人事で誰を提示するか。デフレ脱却もしていないのに増税を言い出さないかに関しては、自分の生活に直結するので、注目した方がいい。  ところで、まともな政治に戻すには、コロナ対策などさっさと終わらせねばならない。岸田首相は「聞く力」「自分は慎重すぎるほど慎重だ」と力説するが、自身の哲学が無ければ聞く相手を間違う。  今までと変わらない過度の自粛を何のためにいつまで続けるのか。2月1日は特措法の期限だが、どうしてくれるか。まず、監視しよう。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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