インフルエンサー、エバンジェリスト…したり顔で使う人にイラッ
頭よさげな言葉や、やる気に満ちた言葉で自分を過剰演出することでしばしば揶揄される「意識高い系」。彼らの言葉は、なぜ人の心を逆撫でするのか? その境界線は受け取る側の世代や属性で変わるのか? 300人のネットアンケートに加えて、サラリーマン、OL、大学生の各30人に街頭取材を行った
◆乱発しすぎてルー大柴状態? ビジネス系意識高い系ワード
<起業・ビジネス編>
国際化が進み、ビジネス用語にカタカナ語が使われることも珍しくない。とはいえ、あまりに連発されると、「お前は外国人か?」とツッコみたくなる。中でも、最もイラつくと認定されたのは、「ミニマム的な」(55人)。「意味がわからず怪訝な顔をしていたら、ニヤニヤしながら『最小限って意味だよー』と笑われた。んじゃ、最初からそう言ってくれよ!」(33歳・会社員)、と怒りの声が。
そして、2位の「影響力のある人」を意味する「インフルエンサー」(39人)は、「知人に『インフルエンサーになりたい』と言われたとき、自分は人に影響を与えられるほどのすごい人だと思っているのか、とツッコみたくなった」(28歳・OL)。
同じく「精度の高い情報を分流して共有する」を意味する「キュレーション」(27人)も、普通の単語として使うのはまだしも、主語を「自分」にすると反感度は一気に急上昇。「たいしたことない人が『俺のキュレーションで……』とか言っているとその自己評価の高さに薄ら寒くなる」(35歳・会社員)との厳しい声。
そして、「起業家」を意味する「アントレプレナー」(34人)や、「伝導者」を意味する「エバンジェリスト」(32人)なども、「意味がわからなすぎて聞いてみたら、言葉を使った本人も正確な意味を答えられなかった。自分でもわからないのに、なんで使うの?」(28歳・OL)と本末転倒な事態が起こるケースもあるよう。
また、以前流行した「オフィスを持たない働き方」を意味する「ノマド」(30人)も、「このキーワードをしたり顔で言い出した時点で、夢見がちな人認定」(29歳・会社員)、「こういう働き方をしている自分はかっこいい、という自己顕示欲が垣間見られるのがイヤです」(24歳・OL)と激しい拒否反応を示す人も。
さらに「マター」(32人)、「アジェンダ」(30人)、「インサイト」(27人)、「ベネフィット」(27人)など、いわゆるカタカナ用語を多発する人へは、「外国語を多用して頭をよく見せたいのはわかるが、乱発しすぎてルー大柴状態」(38歳・会社員)、「普通の言葉で言ってくれれば理解できるのに、変に外国語を織り交ぜるのでお互いの認識にズレがあることも多い。会議などの場では、ややこしくなるのでやめてほしい」(32歳・会社員)と現場からは切実な悲鳴が。
どれもイラつきの境目は、「日本語で言えばいい言葉を、わざわざ外国語にするところが嫌み」(29歳・OL)ということに尽きる。これらのワードを使う誰も彼もが他人をイラつかせたいわけではないだろう。しかし、伝わらなくては仕事にならない。相手に理解してもらってこそのビジネス用語なのだと心したい。
【意識高い系がビジネスで使いがち用語】
1位 ミニマム的な<55人>
2位 インフルエンサー<39人>
3位 アントレプレナー<34人>
4位 マター<32人>
4位 エバンジェリスト<32人>
6位 ノマド<30人>
6位 アジェンダ<30人>
8位 インサイト<27人>
8位 ベネフィット<27人>
8位 コミット<27人>
8位 キュレーション<27人>
イラスト/大ハシ正ヤ
― 許せない[意識高い系用語]の境界線【2】 ―


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