「イチローに興味ない」発言をNHKで晒された林修先生の受難
日本時間の5月4日、シアトル・マリナーズの会長付特別補佐に就任したイチロー選手(44)。今季中の試合出場はなくなり、アメリカでは「事実上の引退」と報じられている。
その日の夜、予備校講師の林修氏(52)が出演したNHK『ニュースウォッチ9』でちょっとした事件が起きたのだ。知る人ぞ知るメジャーリーグファンで、中継にもたびたびゲスト解説として招かれている林先生。マリナーズにとって大切な存在だからこそ特別なポジションを用意されたのだろう、と当たり障りのないコメントをしたのだが、このあと全国ネットで辱(はずかし)めにあってしまったのである。
突然、女性キャスターが、林先生の過去のブログを紹介。そこには「特にイチロー選手には全く興味がわかない」との一文があり、赤線が引かれていた。
これに慌てて釈明に追われた林先生。「イチローに興味持つ持たないというのは憲法上で保障されている内心の自由」だと語りつつ、最後は「冒頭のブログ公開で色んな物を失った」と冗談めかして締めくくったという話。
もっとも、このサプライズだって台本通りなのかもしれないし、林先生の本音をバラしたといってNHKを批判するのも気が引ける。問題はその後だ。
放送後、林先生は番組で紹介された箇所以外の記述まで削除してしまったのだ。詳しい引用は控えるが、それはイチロー選手の言語能力に関する分析で、無理をしていちいち面白い言い回しをひねり出そうとする姿が痛々しいと記されていた。
その文章自体におかしな点はなかったし、悪口や誹謗中傷の類でもなかった。あくまでもアスリートのコメント力についての冷静な批評なのだから、撤回すべき要素は見当たらない。にもかかわらず、このような対応をとらせてしまう世間の圧力や、また当人の過剰な反応が薄気味悪いのだ。
まずは世の中の空気について。先ほどNHKを批判するのは気が引けると書いたが、それでもあのような演出が痛快だと思って放送する姿勢には少し違和感を覚える。つまり、そのジョークを面白い演出だと考えるのは“イチロー嫌いは人にあらず”といった同調圧力を公に認めているのと同じだからである。
アメリカの長寿バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で、こんなコントがあった。大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』をつまらないと言っただけで、ある男が逮捕され取り調べを受けるハメになるというものだ。
このコントに似た構図の『ニュースウォッチ9』での一件は、実は笑い話では済まないような気もするのだが。
NHKが突然映した「イチローに興味ない」というブログ
きょうの #ニュースウオッチ9 は、ホリデースペシャル! #林修先生 初登場
— ニュースウオッチ9 (@nhk_nw9) 2018年5月4日
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林先生、過去のアンチ・イチロー発言まで自ら削除
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