「韓国でアガシに絶対にモテる小技がある。それは……手土産にたこ焼き器と資生堂の試供品を持っていくことや(机をドンッ)」
これは8年前、初の韓国旅行を前にしたスギナミに対して、当時の上司であったS氏が餞別代わりにくれたアドバイス。「ウチの雑誌(韓流本)はソウルに万里の長城を築く!」など、大風呂敷を広げたがる癖のあった氏の言葉だけに額面どおりには受け取らなかったが、コスメの試供品だけは大量に持参。すると果たせるかな、ルームサロン、そしてディスコでプレゼントするとウケがいいのだ。日本で韓流という言葉が出始めた時期ではあったが、韓国国内では依然、日本の文化、ファッションに対して憧れる若い層は多かった。
ところが最近では、K-POP、Kコスメ、サムスン製品に代表される韓国独自の文化は日本の若い女子にも浸透。馴染みの韓パブに行っても、「資生堂よりBBクリームをください」と一蹴され、韓国アガシと接近するのに、これまでの日本ブランドの押し売りは通用しないことを痛感。それならいっそ、韓国文化に精通することで、
「江南スタイル」のMVに出てくる、4Miunuteのヒョナみたいな女とイイ仲になれるかもしれない。僕は機上の人となった。
【後編】に続く⇒-
スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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