学部名の「キラキラ化」で悩む、珍名学部生の就職活動
12月1日、’14年春に卒業する大学生の就職活動の火蓋が切られた。
しかし、周りとはだいぶ違った方向で悩む学生がいる。甲南大学マネジメント創造学部3年生の徹さん(仮名・以下同)だ。
「学科名までいうと早口言葉みたく長くて、面接で噛みそう……。それに、変わった学部名だからか、面接官が学部学科の質問に始終することもあるようで、自己PRまでいけないかも」
端から見て、何を学んでいるのかいまいちわかりにくい。そんな「珍名学部」「珍名学科」が、近年目立ってきているがゆえの悩みだといえよう。
第一、学部生自身がわかっていないこともある。国士舘大学21世紀アジア学部の浩平さんもその1人。
「ウチの学部も高確率で何を勉強してきたのか、面接で突っ込まれる。そもそもアジアに高い関心を持つ学生があまりいないし。高いモチベーションを持った学生? 知る限りでは留学生くらいです」
宇都宮共和大学シティライフ学部に入学したての翔太さんは、既に就活へ不安を抱いている。
「かっこいい名前の学部だと思って入りましたが、何をやっているのか『?』です。学部の教授すらも、授業中に『シティライフって何だ?』と言ってしまう状態です」
彼のように、当初はなんだか意味ありげなカタカナネーミングのイメージに釣られて入学した学生も少なくない。しかし、理想と現実はなかなか噛み合ないのが世の常。
「HPにもある『大学で学ぶべきほぼすべての学問領域を網羅』という言葉に乗って入学したが、正直、今のままでは自分が何をやってきたのか、面接で説明できる自信がない」とは桜美林大学リベラルアーツ学群の智之さん。
「結局、いろんな学科の寄せ集めだった。専門性がない学科を選ぶと就活と結びつかないらしく、4年生の先輩はまだ就活中です」と帝京平成大学現代ライフ学部の健吾さんも語る。
田中真紀子文科相が問題視した「濫造される新設大学」。そんな大学で増える奇妙な学部名の生徒たちはどのように就職戦線を戦っていくのだろうか?
週刊SPA!12月4日発売号「[珍名学部出身者の就活]悲喜こもごも」では、「珍名学部生」たちに直撃取材。彼らの胸中を聞いている。 <取材・文/中野一気(中野エディット) イラスト/西アズナブル>
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