アメリカン航空破綻を悲しむ人々「もう裏技が使えない」
11月29日、アメリカで3番目に大きいアメリカン航空とその親会社のAMRが、ニューヨーク州の裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表し、経営破綻した。ただし破産手続き中は、通常運行を続け、航空券の予約も無効になることはないとしており、当面、利用者への影響は少ないようだ。
だが、一方で同社のCEOのトーマス・ホートン氏は会見で「今後、保有する航空機や定期航路の最適化を行う。どちらも規模を縮小してくことになるだろう」と話し、定期便の本数を削減していく方針であることを明らかにしている。
アメリカン航空は、日本の各都市に定期便を運行しており、今後、日米間の不採算路線は廃止される可能性もある。日米間は他社の航路が多数あるため、日本人の出張者や旅行者が困ることはないだろうが、一方で悲痛な叫び声をあげる人たちがいる。
「アメリカン航空はJALと同じく『ワンワールド』という航空グループに属しており、貯まったマイルなどが加盟航空会社間で利用できるんですが、実はアメリカン航空を使った裏技があったんです。だからマイルを貯めまくっていたんですが、今後、どうなることやら……。だって、10万マイルもあるんですよ!」
と言うのは旅行好きの会社員T氏(31歳)だ。彼の言う裏技とはこうだ。
実はアメリカン航空はマイルを直接、お金で買うことができ、かつ通常より交換率が5割増になる特別キャンペーンも頻繁に行われていたのだ。加えて米ドル決済なので、円高の影響もあり、交換率がかなり高かったという。こうして購入したマイルを、同じ航空グループであるJALの国内線を利用するときに使うというわけだ。T氏は今年、この方法でお盆の繁忙期、東京―沖縄間を往復3万円弱で利用することができたという(しかも直前に予約)。同時期の国内航空会社の航空券相場は7万~10万円だから、半額近くになる計算だ。
「アメリカン航空から、さっそく『保有しているあなたのマイレージは保障されます』というメールが来たので、すぐにどうなるという話ではなさそうですが、裏技はもう使えなくなるでしょうし、アメリカン航空のマイルでJALの国内線の特典航空券を買えなくなる可能性はあるでしょうね。裏技が使えなくなると、今後は国内旅行する機会も減っちゃいますよ。」(T氏)
同社の破綻は、一部の日本人にとって大きな影響を与えたようである。
文/バーナード・コン(本誌特約)
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