更新日:2022年06月22日 00:44
エンタメ

ティッシュ配りがサボってないか監視するバイトがある!? バイト芸人・前野の珍バイト体験談

クロスバー直撃・前野悠介

派遣会社から来る仕事は珍バイトのオンパレード

 下積み生活の長い芸人の世界ではアルバイトは命綱。なかでも「クロスバー直撃」のボケを担当する前野悠介氏は数々の珍バイトをこなしてきたまさに“キング・オブ・バイト”芸人だ。 「初めてバイトしたのは高校1年生。それから今まで81個のバイトをやってきました。バイトの紹介は基本、派遣会社か求人誌。ただ、現場に行くまでは細かい仕事内容はわからないので珍バイトに出合う確率が高くなったんです」  そんな彼にこれまでの珍バイトを振り返ってもらった。 「相方と一緒に行った熊本への出張バイトもよく覚えてます。家電量販店の前で電動髭剃りの実演販売をするというものだったんですが、髭剃りの販売なので実演は一発勝負。僕と相方、それにスタッフの人がやったらそれでおしまい。開始すぐに実演できる髭が尽き、呆然としました。あとはキャバクラでキャバ嬢がトイレに行って手を洗う時にドレスの袖についたフリンジが濡れないように横から支えるバイトも。ほかにもマグロの解体ショーでまな板を押さえるバイトや献血所で献血に来た人のスリッパを片付けるバイトもありましたね」  だが、前野氏は「このバイトはまだまだ序の口です」と語る。 「ティッシュ配りのバイトは印象的。最初はただ路上でティッシュ配りをしていたんですが、そのうちに上から『カラスをやれ』と命じられたんです。“カラス”とはティッシュ配りがサボっていないかを見つける監視役。時給はそれまでのティッシュ配りの時給から100円アップの1150円でした」  それでも真面目にカラス業に精を出し続けた前野氏。すると更なるポジションを用意されたという。 「それが通称“フクロウ”。これはティッシュ配りを監視するカラスがサボっていないかを監視するバイト。これもまた時給も上がって1250円でした。ただ一度だけ魔が差してマンガ喫茶に行ってフクロウ業をサボってしまったんです。そしたらすぐにクビと言われて。なんでバレたんだと思ってたら、どうやらフクロウを見張る通称“バードウオッチャー”が僕を監視してたようなんです」  バイト芸人と知られるようになった今でも珍バイトは続けているという。 「今は工場のバイトをしています。仕事内容はベルトコンベヤーから流れてくるベーコンを見て、たまに重なって流れてきたベーコンを二つに戻すというものです。あまりに単調な仕事で1時間が4時間ぐらいに感じます。現場ではベーコンが重なっていることを『ジャムる』と言うんですが、一度バイト中に立ったまま寝てしまい、上司に『てめぇ、ジャムってんじゃねえか!』と怒られたこともあってまったく気は抜けません」  現在の悩みも芸事よりももっぱらバイトのようで。 「バイトは大体3つぐらい掛け持ちしてるのでスケジュールの管理が大変。寝る暇もありません。正直、お笑いよりもバイトのほうにマネジャーが必要です」 【前野悠介】 ’04年、渡邊孝平とコンビを組んで「クロスバー直撃」を結成。大阪を拠点に、よしもと漫才劇場など出演中。道頓堀ZAZAにて自主ライブ「CHOKU×CHOKU」をほぼ毎月開催 ― [ナゾな求人]に応募してみた ―
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