法律ギリギリ!?「通販キャッチコピー」の裏事情。女子中高生もバストアップサプリでトラブルに
日本通信販売協会によれば通販市場はこの10年以上右肩上がりで、もはや6兆円市場になっているという。そんな市場拡大に役立っているのが、手を変え品を変え、製品イメージを消費者に訴求してくるテレビ通販番組の演出や雑誌の通販広告に踊るキャッチコピー。
かなり怪しげというかそこまで言い切っていいの?というようなコピーが踊る印象もあるのだが、実際はこうした通販のキャッチコピーは、実際にはさまざまな法律で使える言葉が制限されている。
CMが法令や放送基準に達しているかチェックするCM考査アドバイザーで、アドリーガル代表の三角弘之氏は次のように語る。
「通販の文言に関わる法律では、特定商取引法のほか、商品内容についての不当表示等を禁止する『景品表示法』があります。この法律では、『著しく事実に相違する表示』または『著しく優良・有利であると人を誤認させる表示』が禁止されています。また、通販でよく扱われる化粧品なども、使用できる効能効果表現は56種類に限られており、その範囲を超える効能は書いてはいけない。こうした制限があるため、『シワが消え、肌が若返る』などの言葉を使わずに、『歳を重ねたお肌に潤いを』と書くような事例が出るわけです」
テレビ通販で美肌効果を主張する製品を売る際、「効能には一切触れず、『もう、私の顔を見ればわかるでしょう!』とだけ連呼する通販マンもいる(笑)」(業界関係者)のには、そういう事情があるのだ。
また、健康食品などは薬事法も関連してくる。薬事法関連のコピー作成を得意とする株式会社バックスの植木あき子氏は次のように語る。
「医薬品や医薬部外品以外の商品では、体の変化や医薬品の効能を連想させる表現はNG。そのため『脂肪燃焼効果が高い』といった言葉は『燃える体に!』などに変えられます。また、サプリの通販広告では、『※個人の感想です』という表示とともに、使用者の感想を伝える場面がありますが、いかに薬事法違反の言葉を避けて、いい雰囲気の言葉を言ってもらうかが勝負になる。『膝の痛みが取れる』と主張したい場合は、笑顔で膝をさすってもらい、『階段も楽にいけちゃいます』と言ってもらえれば勝ちなんです(笑)」
こういったギリギリの表現を使うため、トラブルは後を絶たない。国民生活センターによると、最近では「中高生女子がバストアップサプリの通販でトラブルになる事例が目立つ」そう。ただ、その手の怪しい製品でも法律対策はしているらしく、ネットで検索すると、「もっとふっくら」「飲めばぷるるんっ Eかも!」などの文言が。バカバカしいと思える広告の裏にも、そんな“戦略”があったのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 ※写真はイメージです>
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