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貧困家庭を襲う“学習格差”の闇

 最近、様々なメディアで目にするようになった「6人に1人」という言葉。

 日本の標準的な世帯年収の半分以下で暮らす、いわゆる“貧困家庭”の子供の割合は、平成24年には16.3%に及び、先進国の中ではかなり悪い。

 特にひとり親家庭では2人に1人の割合で子どもが貧困に直面。その多くは母子家庭で年収100万円~150万円程度で生活しているケースも珍しくない。

貧困家庭を襲う“学習格差”の闇

生活保護を受けて何とかしのいでいる母子家庭にとって、義務教育外の施設に子弟を通させることは事実上不可能に近い

 この状況で最も格差が広がるのが教育費。貧困家庭の場合、衣食住で精一杯、塾や習い事に割く余裕がないのは容易に想像がつく。

「貧困家庭こそ、外に学びの場が必要」

と提言するのは、NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子氏だ。

 同法人は東京23区を中心に、主に貧困家庭の子供対象にした無料学習塾を展開している。

「うちで学習支援を受けている児童のうち、約7~8割がひとり親世帯のお子さんです。『ここに来る前はどうやって勉強していたの?』と聞くと、家が狭いために自分の部屋はおろか勉強机もなく、『居間で宿題をしようにも(保育園の)妹が邪魔をしてドリルもノートもぐちゃぐちゃに破られた』なんて子供もいました。また親御さんも家計を支えるため、ダブル、トリプルワークと働き詰めで家を空けるので、子供に勉強習慣を付けることも難しいのです」

 中には親が深夜労働のため朝が遅かったり、重度の病気で床に臥せっていることから子供の生活リズムも狂ってしまい、結果、不登校になってしまう子もいるという。またお小遣いが貰えないひけ目から友達と遊ばず、家に引きこもる子供も多い、と渡辺氏は指摘する。

「だからこそ、塾が必要なんです。私たちが無料学習塾で教えていると、意欲的に取り組み、成績が伸びていく子は多い。勉強以外の面でも、大学生ボランティアと話すことで、『僕は先生になりたい』『私は看護師になりたい』と具体的な夢を持つようになる子もいます。ここに来るまでは彼らにとって、大人と言えば仕事で疲れている親御さんだけ。塾は子供の視野を広げる場所でもあるんです」

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行政の支援が不可欠

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