酒を飲むと「俺のことを褒めてくれ!」と絡んでくるめんどくさい男の話【エッセイスト・犬山紙子】
その絡みかたが「俺のことを褒めてくれ!」なんですよ。目上の人でもお構いなしに、俺を褒めろとのたまう。「ハイハイ」と流しても永遠に絡んでくるので、仕方なくみんなが彼の絵をヨイショしだすも、それをまったく聞かずに、永遠に「俺を褒めてくれ」と言い続けるんですよ。なにその他人の言葉じゃ満たされない渇望……。日頃のどうしても満たされない部分が晒されてしまっているようで、いたたまれないじゃないですか。どうせ本人は記憶ないだろうからいいかもしれないけど、これは死ぬほど恥ずかしいやつ。
『負け美女』(マガジンハウス)で注目を浴びる。著書に『高学歴男はなぜモテないのか』(扶桑社新書)ほか。TVでは『スッキリ!!』ほかでコメンテーターとして活躍中
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その後、「あれ、D君いなくない?」ということになり、みんなが心配して探し回ると、高級物件ばっかり取り扱っている不動産屋の前で立ちションしてたそうで。なにそのわかりやすい反骨精神……。しかも立ちションって完璧アウトですからね。心配して探す人間の手間も、なにもかも本当にめんどくさい。
最後、テーブルに戻り「もう帰るぞ」と促され、「まだ飲みたい」とジェスチャーつきで嫌がり下を向いてしまったD君。が、嫌がる際に手がワインボトルに当たってワインが背中に見事に全部流れ落ち、シャツが紅に染まってしまい……。その場にいた全員の頭に、Xの「紅」が頭に流れたはず。もちろん紅に染まったD君を慰めるやつはもういないので、すぐさま解散、D君は電車でトボトボと家に帰ったのであります。日頃いったいどのくらい褒めれば、彼の渇きは満たされるのでしょうか……。
【犬山紙子】
エッセイスト。単行本デビュー作1
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『高学歴男はなぜモテないのか』 すべての男性に伝えたいコミュニケーション力のツボ |
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