マツダのライバルはラテン車!? プジョー渾身のディーゼルは最安が最高なり
ところでこのエンジン、どうやって現在の厳しいディーゼル排ガス規制をクリアしているのか?
尿素SCRという、どっちかっつーと大型ディーゼル車向けの高級(?)技術だ。トランク下に尿素水タンクを備え(約1年持つ)、そこからちょっとずつ排気に尿素を噴霧して化学反応を起こさせて、窒素酸化物を低減させている。性能面では有利だが、尿素タンクなどがスペースを食って小型車向きではないし、コストもかかる。まさか1.6ディーゼルにそれを積んでくるとは!
オタク的にはですね、お安くないとダメな小排気量ディーゼル車で、現在のディーゼル排ガス規制をクリアさせようとすると、革新的なマツダのスカイアクティブD以外、コスト的にムリじゃないかと思ってました。マツダのスカイアクティブDにはお高い尿素SCRもNOx吸蔵触媒も必要ない。だからデミオの1.5ディーゼルは200万円を切り、308と同クラスのアクセラ1.5ディーゼルも230万円~だ。
しかしプジョー・シトロエンは尿素SCRに賭けた。なにしろフランスのメーカーにとって小排気量ディーゼルは生命線。販売の過半数を占めている。それを死守するためにこの技術を全面導入し、大量生産によってドバッとコストを下げようという意図なのだ! 肉を切らせて骨を断つ戦略とでも申しましょうか!
仕上がりの良さは抜群。マツダもうかうかしておれん。自動車趣味人(かなり少数)としては、今後もクリーンディーゼルに期待大である。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1199858
【結論】
プジョー308には2リッターディーゼルもラインナップされていますが、やや重ったるい印象で、体感的な加速も1.6と大差なし。よって、お値段が55万円もお安い1.6ディーゼルが断然魅力的でございました
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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