人間椅子・和嶋慎治「精神的に男が好きと気づいた」――半生を整理して見えてきたこと
――性別を超越した、精神的な繋がりという感じでしょうか。
和嶋:要するに“イデアの恋”ですよね。完全にプラトニックな関係というか。一方で、高校のころから「この感覚は、何かマズイんじゃないだろうか」とも思っていました。
――その感覚を完全に解放してしまえば、もしかしたら和嶋さんはバイセクシャルなのかもしれませんね。
和嶋:そうなんでしょうか。ともあれ、大人になると、恋愛関係には肉体的な繋がりが関わってくるじゃないですか。ただ、男同士の関係性には、そういう肉体的な事柄がなくても成立するように思う。男女の関係だと、結婚とか別れとか、わりと重たいものが絡んでくるじゃないですか。そういうのがないのも、またいいですよね。
――男女関係は、とかく生々しくて、リアルな話になりがちであると。
和嶋:ええ。あれはツラいものです。何回やっても慣れません。男同士のプラトニックな恋愛的感情の場合、過剰にウェットになることもないし、切った張ったの修羅場になることも少ないんじゃないでしょうか。
――いまお話しになったことって、これまで公言されたことは……
和嶋:ないです。今回の本を執筆する過程で「あれ、もしかして」と自分でもようやく気づいた感じです。このことに限らず、自分の半生を整理してみることで、新たに見えてきたことは多いです。そういう意味でも、苦労して一冊の本を書き上げたことは、とても意義深かったなと感じています。
【和嶋慎治】
1965年、12月25日生まれ。青森県弘前市出身。高校時代の同級生である鈴木研一(ベース)と人間椅子を結成。ギターとヴォーカル、作詞作曲を担当する。近年は、ももいろクローバーZの楽曲のギターとして参加したり、上坂すみれ(声優)、ひめキュンフルーツ缶などへの楽曲提供もする。初の自伝本『屈折くん』が発売中
<取材・文/漆原直行 撮影/渡辺秀之>
『屈折くん』 人間椅子の中心人物、和嶋慎治による初の自伝!! 幼少期からバンド結成、現在までを明かす!! |
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