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アパレル業界の裏方はブラック企業並みの激務。年収700万円だが精神状態は最悪

出世や転職で年収増を目指すのがサラリーマンの本懐。だが、収入が上がったはいいが、激務に忙殺され、家では家族サービスを強いられ、部下からは突き上げを喰らい、やがて体を壊し……という「高収入でもプア」な人々がいるのも事実だ。彼らはなぜ、高収入にも関わらず不幸に陥ってしまうのか。事例をもとに、幸福とカネのバランスを検証する。

アパレル業界の裏方はブラック企業並みの激務で夫婦仲も精神状態も最悪

…脇沢光男さん(仮名・35歳)/年収700万円/既婚・子供なし 700万プア ファッション系の専門学校を卒業後、憧れだった海外ブランドメーカーにパタンナーとして就職した脇沢さん。初年度から年収は500万を超え、学生時代から付き合っていた彼女と22歳で結婚。一見すると順風満帆な日々を送っているように思えたが……。 「ファッション業界は華やかな世界と思うかもしれませんが、実はブラック企業に引けを取らない劣悪な労働環境なんです。特にファッションデザイナーのデザインをもとに型紙を制作するパタンナーの仕事は、ほとんど手作業だから時間がかかるんですよ。ファッションショーが近づいてくると休日はおろか、1週間以上帰宅できないことも珍しくないんです。ファッション業界に従事しているのに、汗まみれのTシャツを何日も着たまま作業していますからね。打ち合わせに来た本社の美人デザイナーが、僕の体臭に顔をしかめたときは死にたくなりました」  若い頃はやりがいを感じて不眠不休の毎日も苦にならなかったが、年齢とともに激務の日々に疑問を感じてストレスは溜まる一方。 「今のささやかな楽しみといえば仕事の合間に食べられる高級チョコレートやケーキなどのおやつのみです。運動不足も重なって太る一方で、最近会った専門学校時代の友人から『幸せ太りだね』と言われて殺意が芽生えました」
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専業主婦の妻は朝帰りばかり
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