しみけん×森林原人――人気AV男優2人の超アブノーマルセックス対談「何フェチか即答できない男はセックスがつまらない」

――それは……お尻の穴を使うってことですか？ 森林：お尻を使うようになれば、さらにアナルセックスも確実にうまくなります。最初、“ゆっくり挿れる”とか、セックスで“チンチンが膣に馴染む”って感覚がよくわからなかった。でも、自分がチンチンを挿れられたら、それがわかったんですよね。これだったら女のコにも気持ちいいんだろうなって。逆に、馴染まないときにズドーンって挿れられたら痛いだろうなってのがわかって。 しみけん：そう、だから挿入したあとも、まずは膣に馴染ませるために3～10秒間はチンチンを動かさずに止めるのがいい。 森林：挿れて、止める。逆アナルをするようになって、それがピンとくるようになった。 しみけん：お尻に挿れてくれる人もそれがわかる人じゃないとね。僕は、自分のチンコ型のディルドが発売されているんですよ。それで、女優さんや相手の気持ちをわからなきゃって、自分のお尻に挿れてみたんですよ。自分のチンチンを自分のケツの穴に挿れたことがある人間ってなかなかいないでしょ（笑）。そしたら、キツい……。もう動けなくなっちゃって。それから女優さんにチンチンを挿れるときは、優しくするようになりました。セックスの「あいうえおの法則」というのがあります。「あ」は女性が出す声の「あん」。僕は昔、撮影のときにペニバンでアナルをぎゃんぎゃんヤラれたことがあるんだけど、そのときに思ったのが、「パン、パン、パン」で「あん、あん、あん」と声が出るのは、気持ちが良くて声が出ているほかに、衝撃で反射的に出している声でもある。だから、「あん」じゃない声が出てきたときは、本当に感じている証拠でもあります。 森林：しみけんの言葉で印象に残っているのが「セックスは研究室のなかで行われているのではなく、ベッドのうえで行われている」。お医者さんの言うことは学術的な部分では説得力があるけど、それだけではなく、実際の経験を兼ね備えているから言葉が実践的でもある。それがしみけんの強みだよね。僕も本を書いていく段階で、自分のなかで培ってきた経験を統計として集めて、法則を見つけたり、結論を出そうとしても、うまく言語化できなかったりする。しみけんは、それを言葉として伝えられるスキルが高いのがスゴいよ。 しみけん：いや、それで森君の言葉で秀逸だと思ったのが、童貞にクリトリスの触り方を教えるときに、「優しく触るんだよ」と言ったところで力加減がわからないわけですよ。そこで森君が導き出した答えが「腫れ上がったニキビに軟膏を塗る感じ」。まさに、その通りだなと。 森林：そこに辿り着くのに時間が掛かったけど（笑）。経験値が高い人の技術や肌感覚はいつも気になる。最近だと、女優さんからの評判がいいサダマツ君という男優。彼は、僕たちとは3Pはしてくれず、メディアでもまったくインタビューを受けないので、どういうセックスをしているのかわからないんですよ。 しみけん：彼は僕たちとライバルであり、後輩や先輩としか共演しない。 森林：それで、監督とかスタッフに他の男優と何が違うのか聞いてみたんですけど「そんなに変わったことはしていない」と。じゃあ、なんなのか、ますます気になる。見てもわからないんだとしたら、言語化して伝えてもらうしかないんですけど、セックス中のことってほとんど感覚的なことばかりだから言語化が本当に難しい。その点、しみけんの本の内容は秀逸。ライトユーザー向けだけではなく、性の探求者みたいなレベルの人にも意味がある内容になってる。今までなんとなく思っていたことが「あー、こういうことだったのか」と腑に落ちることが多々ある。 ――現場で他の男優さんを参考にすることもあるのですか？ 森林：僕は昔っから、佐川銀次さんを見てきましたね。“ここぞ”という場面での決め方が絶品なんです。例えば、女優さんが涙を流すとか。それを目の前で何度も見てきたんですけど、なにが違うのかわからないんです。特に激しいピストンをしているワケでもなく。でも女優さんが高まっていくのは目に見えてわかる……。 しみけん：僕は、黒澤君。セックスは心とカラダなんだけど、カラダの気持ち良さ（テクニック）で言えば、黒澤君は凄いと思う。セックスが本当に上手い人は、「パン、パン、パン」ではなく、「トン、トン、トン」という音がする。要するに、男って激しくしたがるんですけど、そうするとポイントを外す。先ほどの銀次さんもそうなんですが、「トン」って置いて、あとは押すだけ。潮吹きもそうなんですが、手のひらにマジックでバッテンを書いて、これが消えないように上に押す。こすって消えてしまう人は位置がズレているので下手な証拠です。