更新日:2017年06月23日 20:13
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警察官のブラックな労働実態――通帳から携帯電話の中まで上司に検査されプライベートはない!?

プライベートを詮索「貯金通帳を持ってこい」

 警察組織には特有の息苦しさがあると語るOBもいる。『元警察官のブログ』を主宰する田中寛氏(仮名・40歳)は、10年間の警官生活をこう振り返る。 「年に2回、上司からプライベートについて根掘り葉掘り聞かれます。『貯金はいくらあるのか、通帳を持ってこい』から始まり、交際している彼女のことまで踏み込んでくる。パソコン、携帯電話の中身もチェックされました」  抜き打ちでの家庭訪問も含め、職員の私生活に平気で介入するのが警察の流儀だが、職員から警察組織への意見はまず通らない。 「上申書を出しても、上司に握りつぶされ、不平不満分子に認定されるのがオチです」(犀川氏)  文字通り息が詰まりそうな環境だが、この中で彼らは警察本来の日々の業務を淡々とこなしている。 「私がいた刑事課は朝の8時半から翌朝8時半まで勤務し、そこから24時間休むことになっていますが、当番中に起きた事件や変死は、翌朝の勤務者に引き継がず、自分で処理を終わらせないといけません。あくまでも責任は、事件が起きたときの勤務者にあります。2、3日連続の徹夜でフラフラの状態で仕事をしていることもざらです」(田中氏)  現場の誰もが、次の勤務者に引き継ぐ仕組みにすればいいと思っていたが、田中氏の現役期間中に改まることはなかったという。 取材・文/野中ツトム・福田晃広
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