雑学

なぜ芸能界とキャバクラはギャラで揉めるのか【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その169 ―

 最近芸能界で「ギャラが安い」と言って不満を語る、特に女性タレントが多いのですが、これはどういうことでしょうか。ギャラの安さを客観的に数値比較をしたとは思えません。きっと誰かに「あの人はたくさん貰っているみたいよ。あなたは安くない?」なんて言われたのでしょう。こういう噂話の域を越えてない情報交換は、女性が集まる職場で頻繁に起こりがちです。

 噂が大好きな職場といえば、なんと言ってもテレビ局の楽屋やメイク室ですよね。週刊誌ネタからファッション・コスメ情報、そして自らの武勇伝まで情報は玉石混交ながら、ハイテンションかつハイスピードで伝達されます。ひどいと本番のスタジオで「P音」を入れながら、そのままオンエアなんてこともあります。

 続いて、噂の総本山といえば、キャバクラのお着替えルーム、あるいはお店の中の待機スペースです。ここは「誰が枕営業をしているか」とか「どこそこの店では時給が5000円出る」とか「某ファッションビルでバーゲンが始まった」に至るまで、有意義な情報がもたらされます。

 そして、芸能界とキャバクラ、この2つの職場を括る共通項は「全員が参加していない」ということ。休んでいる人のほうが圧倒的に多い。つまり、みんな一同に集まれないからこそ、ほかの人が気になるのです。情報飢餓状態とでも言うのでしょうか。それに加えて、疑心暗鬼が加速し、人がいっぱい集まる場所でみなさん何を喋っているのか気になってしょうがないのです。誰かの悪口を言っていたけど、てことは自分が休んだら誰かが悪口を言い出すのか? 考え出したらキリがないですね。

 話を芸能界に戻しますと、芸能界での最大不安要因は自分がどれぐらい売れているか、どれぐらいの格付けか知りたいのです。だから芸能人が楽屋に入って、真っ先に気にするのは「楽屋の広さ」と「弁当の豪華さ」です。スタジオに近い、大きな部屋を一人で使えれば一流芸能人。若手は相部屋が多いとも言いますが、それはスタジオの使用状況で決まりますが。

 そんなわけで、急激に売れた女性タレントさんはスタイリストやヘアメイクあたりから、有益な情報がもたらされます。ライバルのタレントが「麻布の高級マンションに引っ越したそうよ。しかも家賃は事務所持ちらしい」なんて聞くや「なんで私は未だ1LDKの中古マンションなのよ~」と、憤るわけです。

「○○ちゃんは、最近契約が歩合制になって羽振りいいですね~」と追い討ちをかけるもんだから、「え~未だ私は給料制だし」と憤慨しまくり。「でも、そこそこ貰ってるんでしょ」と突っ込むや「全然、月30もないから」と本音をゲロゲロ。「それはちょっと。ゴールデンにバンバン出ているのに。1回事務所に言ったほうがいいかもしれないよ」と。こんな感じで「ダムの決壊も数滴の水漏れから」と言われているように、ギャラのお伺いをしたばっかりに、こじれにこじれて干されるとか、独立とか数奇な運命を辿ることになるんですな。

 簡単に言えば、事務所の奉公勤めは差があって、長い間安月給で働かさせることもあります。でも、長くいれば、そこそこ給料は上がりますから下手に独立騒動を起こしてイメージダウンするよりは、いいのかもしれません。

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キャバクラは「噂のブラックホール」

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