予備自衛官の制服は自腹でクリーニング!?
予備自衛官制度のための経費に余裕がないためイロイロなものが個人負担になるわけですが、ずっと自衛官だけを職業としてきた人はこういう経費の矛盾に気づかないのですが、一般企業の勤務経験があると、仕事上の経費の自腹で負担に疑問を持ちます。
国を守るために誰かがやらないといけない仕事だからと考えIさんは志願しました。
仕事の忙しいときに同僚に無理をいって最初の予備自衛官の訓練にIさんは出頭しました。久しぶりの訓練に気持ちは高揚したそうです。
しかし、現場ではまず、貸与した制服のクリーニング代を徴収され、トイレットペーパーを持ってきてない人は売店で自分の分を買っておくように言われました。「なに? このセコイ話。俺はわざわざ会社に休暇とってきたのに。ひでぇ扱いだな」とあからさまに不満を漏らす人もいました。Iさんはその場の雰囲気を悪くしないように支払いをすませましたが、せっかく職場と折り合いをつけて来た仲間たちのムードが悪くなったことが最後まで心に引っかかっていたそうです。
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「ありがとうと言われることを期待したわけじゃないけど訓練に応じられる配慮はできないのだろうか」とIさんは残念がっていました。
せっかくの志をそんな気持ちにさせてしまう自衛隊の予算不足が憎いです。どうにかならないものでしょうかねぇ……。<文/小笠原理恵>
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot
『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』 日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる…… ![]() ![]() |
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