更新日:2022年10月05日 23:34
仕事

離婚を2度した“下流中年”の悲惨な日々…住宅ローン、養育費、借金返済で月額20万円超の出費

―[下流中年の危機]―
中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

毎月の支払いは20万円超。3LDKの持ち家に1人で住むバツ2中年

――谷川修二さん(仮名・41歳)/音楽プロダクション/年収390万円 孤独 音楽業界で働く谷川修二さんは、2度の離婚によって下流中年化してしまった一人だ。9年前に最初の妻との間に第1子を授かり、東京郊外に3LDKのマンションを購入。手がけるバンドもメジャー進出し順風満帆に見えたが、平穏な生活はそう長くは続かなかった。 「業績も伸ばしスタッフも増えたのですが、バンドが事務所を独立。そのバンドで成り立っていた会社ですから当然減給。次のブレイクアーティストを発掘しなければという重圧と、仕事で家に帰れない生活が続き、家庭は崩壊しました」  離婚後、週の半分も帰らないマンションの住宅ローン9万円と養育費3万円を払い続ける生活。さらに、頻繁にある仕事関係の飲み会は、会社が傾いたことで全て自腹に。消費者金融からの借金は60万円を超えた。心機一転、6年前に中堅音楽プロダクションに転職し、2年前に再婚。再起を確信したが、不幸のセカンドインパクトが容赦なく彼を襲った。 「お互いバツイチだったので、再婚する際に“もし好きな人ができたら言おうね”なんて話してたんです。再婚からわずか8か月後、彼女から好きな人ができたと告白されました」  そして離婚届と一緒に差し出されたのは、一枚の念書だった。 「これまで妻に買ってもらった衣服などの品目と金額がこと細かく記されていて、計150万円を支払う念書にサインしろと。別に自分からせがんで買ってもらったわけではないのですが……」  結局、毎月4万円ずつ分割で支払うことになった谷川さん。住宅ローン、養育費、消費者金融への返済なども合わせると月額20万円超の出費が重くのしかかる。 「趣味で収集していたレコード1000枚も売りました。ごく稀にある休日をマンションで一人缶ビールを飲みながら過ごしていると、涙が出そうになりますね」  不運な離婚は、確実に下流中年を増殖させるのだ。 ※写真はイメージです ― 下流中年の危機 ―
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