年収192万円、未婚、借金ありの39歳・男性派遣社員に未来はあるのか?
安倍首相は「相対的貧困率は大きく改善した」と語ってはいるが、確実に増え続ける生活困窮者。日本の未来にはいったい何が待っているのか?
「買い溜めしたパスタにはもう飽きた。週2回、すき家に行けるぐらいの年収……せめて300万円は欲しいです」と控えめな未来予想図を語るのは千葉県在住で、小さなデザイン会社に派遣社員として勤務する田中良和さん(仮名・39歳)。現在の月収は16万円だ。
「以前はフリーのデザイナーをやっていたんですが、不景気で仕事が激減。そのときつくった借金300万円を抱え、東京の都心部から逃げるように引っ越し。今は松戸駅から徒歩30分の家賃5万円のボロアパートに住んでいます」
借金を返済しながらの生活に余裕などなく、遊興費はゼロ。休日に家から出て遊ぶこともなくなり、友人も離れていった。
「家近くの公園にスケボーをする場所があったので、お金のかからない遊びとして始めました。でも、3か月後に骨折しちゃって、医療費が7000円。三食パスタで当分過ごさざるを得ませんでした」
結婚願望はあるが、彼女いない歴は5年。田中さんは「年収が上がるまでは結婚も我慢」と話すが、最近、転機が訪れたという。
「かつての仕事仲間から誘われ、アダルト制作会社の正社員待遇で雇ってもらえることになったんです。本当に嬉しかった! でも、往復1160円もかかる交通費が研修期間中は支給されなくて……。40歳手前にして、キセルが脳裏をチラつく自分が嫌になりますね」
取材・文・撮影/貧困の未来SPA!特別取材班
駅から徒歩30分のボロアパートに住む、年収192万円・39歳の派遣社員
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