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パリピはチャラいだけじゃなかった!? その意外な生態

 近年、よく聞くようになったワード“パリピ”。しかし、彼らがいったい何者なのかを正確に答えられる人は、意外と少ないのではないだろうか? そんな未知の存在であるパリピの生態を徹底調査してみた。 パリピ

厳しい日本社会でも全力で人生を楽しむ「パリピ」

 六本木や渋谷で夜ごとパーティを繰り広げ、遊び歩くパーティピープル。略して“パリピ”。その語感から軽薄な若者をイメージする読者諸兄も多いかもしれない。だが、「パリピは必ずしもチャラチャラしたリア充の若者とは限りません」と語るのは、博報堂若者研究所リーダーで『パリピ経済』の著者でもある原田曜平氏。 「彼らはよくも悪くも、その場のノリをすごく大切にする人々です。たとえ、社会人として平日は真面目に働いていても、休日は精いっぱい遊ぶ。厳しい日本の社会情勢においても、めったに心が折れることはない。“どんな状況でもポジティブに楽しむプロ”と言えます」  そもそも「パーティピープル」なる言葉は、欧米では数十年前から使われているし、’01年には作家・林真理子氏のコラム集『美女入門』で「必ずパーティに顔を出してはファッションチェックされる人」として紹介されている。  本格的に「パリピ」という言葉がお茶の間に浸透したのは’14年にテレビ番組『月曜から夜ふかし』でラッパーのイルマニア氏が登場して以来。普段は産廃業者として働きつつも、余暇はパーティに繰り出して全力で楽しむそのスタイルや、ラップ調の語り口が話題に。その翌年には「パリピ」という言葉は、「ギャル流行語大賞」の1位に選出された。
イルマニア

埼玉県入間市をもじったパリピ集団・イルマニアのCD(2015)

 一見すると、ただの若者の話に見えるかもしれない。しかし、原田氏によれば、一部のパリピは芸能人にさえも匹敵する影響力を持つという。 「以前はテレビや雑誌などのメディアが『これが話題だ』と取り上げることで、流行が一般へと浸透していきました。でも、スマホやSNSの普及により、’10年頃から周囲に影響力のあるパリピの若者が、仲間内の流行をSNSで拡散し、若者消費に巨大な影響を与えています。例えば、近年若者の間では定番となりつつある『ハロウィン』のコスプレカルチャーや、『インスタ映え』などの言葉を生み出したのも彼らです」  日本に謎の影響力を持つ「パリピ」。オジサン世代は知らない生態なのだ。
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ひと目でわかる“パリピ年表”
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