更新日:2018年12月07日 21:33
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「最後のクラウンらしいクラウン」は何代目? ワゴンも直6エンジンもハイブリッドもラインナップ

11代目クラウンは安全、環境、ITが進化したモデル

 1990年代に日本車は大きく進化したといえますが、その進化は、「安全」「環境」「IT」という3つの性能から見ることができます。  安全性能といえばエアバッグですが、90年代前半に運転席エアバッグが一部高級車に採用され、90年代中盤には運転席&助手席エアバッグが大衆車にも積極的に採用。高級車にはサイドエアバッグの標準採用が目立ちました。また、この時代には衝突安全ボディーがブランド化され、トヨタはGOA、日産はゾーンボディを発表しています。また、90年代後半にはトヨタプログレがカーテンエアバッグを世界初採用。この11代目クラウンにもカーテンエアバッグはオプション設定されているのです。

デザインは古く見えるものの内装の質感はとても良く、乗っていて心地良い

 環境性能は90年代後半から注目されましたが、プリウスのようなハイブリッド車だけではなく、三菱のGDIを筆頭とする直噴エンジンも注目されていました。この11代目クラウンにもクラウンとしては初の直噴エンジンが採用されているのですが、トラブルが多い傾向があり、燃費もそれほど良くないため、11代目クラウンのウイークポイントとなってしまっています。ただ、2リッターと前期2.5リッター、ターボエンジンは直噴エンジンでないため、トラブルが少ないといわれています。  ITといえば、カーナビがありますが、この11代目クラウンの時代にはワイド画面のDVDナビゲーションが採用。ちなみにこのDVDナビは、最近まで生産されていたセンチュリーと同型番のため、今でも最新版が手に入るという良さがあります。このDVDナビは、最新のHDDナビと比較して大きな差はないといえます。もっとも、ナビの性能にこだわるなら、今となってはスマホのアプリが最も優秀でしょう。  そのため、この11代目クラウンは今のクルマと比較してストレスとなる差は少なく、普段使いにおいて十分な性能だといえます。最も目立った不満点としては、スマートキーの設定がない点だと思いますが、それ以外についてはストレスとなるほど大きな差はないといえます。

今見ても作りが贅沢な11代目クラウン

 11代目クラウンは内装の高級感が高く、車内に入るとホッとするような空間となっています。シートもとてもできが良く、10万km以上走ってもヘタリは見られませんし、長距離を走っても疲れません。特にドアの下部分は、現行クラウンより高級感が高く、ピラー部分も硬いプラスチックではなく、柔らかいパットが採用されています。

ドアの下部分は可動式の収納となっており、現行クラウンよりはるかに高級感がある

 乗り心地も良く、特に一般道では「これ以上快適なクルマはないのでは」と思うほど快適です。また、程よいサイズ感は乗っていて楽に感じます。ただ、高速道路に行くと一般道ほどの快適性を感じることはなく、ゼロクラウンのほうがだいぶ進化していると感じます。  ただし、アスリートVだけは例外で高速道路でもバシッとした安定した走りで、とても快適です。アスリートVは一般道で低速で走っていても、不思議と楽しく、クラウンらしい心地よさと、クラウンらしくない運転の楽しさを兼ね備えた稀有な存在といえるでしょう。
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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