更新日:2023年04月27日 10:15
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出張、旅行…見知らぬ土地でバー巡りするときに外さない方法は?

~ 第71回 ~  先日、仙台に出張に行きました。無理をすれば日帰りもできたのですが、前泊することにしました。もちろん、その街でバーホッピングするためです。バーホッピングとは、いくつものバーをはしごすることをバッタが飛び跳ねている様子に見立てており、バーホッピングする人のことをバーホッパーと呼びます。

思わぬ出会いがあるのもバーホッピングの楽しみです

 東京であれば膨大な候補がありますが、初の地方だと店選びから手間がかかります。東京でなら筆者はあえて適当に突撃し、経験を積みつつ、一期一会を楽しんでいるのですが、時間が限られている出張の場合は成功率をできるだけ高めたいところです。  その街出身の友達がいるなら聞いてしまえば早いのですが、知っている人がいないこともあります。そんな時の裏技をご紹介します。

本気で探すのは1件目だけ。そのとき確実なのは……

 ステップ1は、1軒目で行くバーだけ超本気でチョイスすることです。内装の写真やメニューなどをチェックし、好みの店を探します。筆者だと、しっかりしたバーカウンターがあり、バックバーにウイスキーが並び、スペースに余裕がありそうなお店が好みです。  次に、自分が飲みたいお酒を店が得意かどうかをチェック。禁煙/喫煙やクレジットカード対応が気になるならそれも確認。3~4店回るにしても、すべてタクシーというのも面倒です。ある程度は地理的にまとめて、はしごしたいところです。  利用する検索サイトはサントリーが運営している「BAR-NAVI」が使いやすくオススメです。「仙台市周辺」で「モルトウイスキーの品揃えが充実」「オーセンティックバー」という条件で絞り込んだところ、19件がヒットしました。  Googleで検索すると、ヒットするのはまとめサイトばかりでユーザーとして使える情報が見つかりません。ただし、一番上に表示される地図に表示される店舗一覧は参考になります。不慣れな土地での位置関係も把握できます。ちなみに「仙台 バー おすすめ」では、BARアンダンテ、L’essentiel Bar、Andyの3店が表示されていました。

Googleで「仙台 バー おすすめ」で検索してみました

 トップに表示されていたBARアンダンテは、BAR-NAVIでも見かけました。1グループ3名までといった入場規制や全席禁煙というこだわりが好印象で覚えていたのです。そこで、BARアンダンテに突撃することにしました。

1件目で「当たりのバー」を引くことができたらすることは……

 扉を開けると、ザ・大人の空間。静かで清潔ですが、とにかくスペースを贅沢に使っているので驚きました。カウンターの中のスペースは、通常の2倍以上あります。カウンターのみのお店なのですが、客席の後ろにもものすごい余裕があります。筆者がこの物件を借りたら、確実に客席を3倍作りたくなるところです。しかし、客席数を絞るのが、マスターのこだわりなのでしょう。感服です。  兎にも角にも1杯目なので、ハイボールから始めます。ウイスキーが悩みどころですが、角瓶やタリスカー、ラフロイグといった候補の中からグレンモーレンジをチョイス。新幹線移動の疲れが癒やされました。

カウンターからバックバーまでの距離が離れていることがわかりますでしょうか

 バックバーを眺めていたら、ボトラーであるザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティのボトルが充実していました。オススメを聞いたら、まずは台湾のカバラン蒸留所から、カバラン「139.1」が出てきました。樽はバリックの1stです。バリックとは、ワインを熟成させる際に利用する小型の樽のことで、1stフィルということはワインを出した直後の状態にウイスキーを入れていることになります。ワインのイメージもあり、アルコール度数は59.2%とパンチ力もあります。171本しか発売されていないレアものです。  次に出てきたのがラフロイグ「29.260」。19年熟成で、オロロソシェリー樽を利用しています。ボトリング本数は507本で、アルコール度数は56.9%。色は濃く、超濃厚な香りと味。ラフロイグっぽい薬臭い感じは消し飛ぶ個性で、ウッディです。

ウイスキー・ソサイエティというボトラーズによる、カバラン。とてもユニークで美味しかったです

 これは間違いなく「当たり」です。  さて、裏技とは好みのバーでオススメのバーを聞くことです。バーテンダーは少ない会話といくつかの注文からでもある程度の情報を分析してくれます。狭い業界なので、横のつながりも強く、気持ちよくその街のオススメバーを教えてくれることが多いのです。そのため、1店舗目だけは自分でたどり着く必要があるのです。この好みの店舗を引き当てたようです。  マスターはいくつものバーを教えてくれました。さっそくバーホッピング開始です。コースターに書いてもらったお店を検索して、向かいます。すべて徒歩圏内ということで、仙台国分町、あなどれません。
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見知らぬ土地ならではのバーホッピングの楽しさ
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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