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年収200万円台、大学非常勤講師の貧困事情。50代独身のつらい日々

追い打ちをかけるように、奨学金の返済が

 さらに追い打ちをかけるように、いまだに奨学金という名の借金が木村さんを苦しめているという。 「日本学生支援機構の奨学金は、返済期限が過ぎると、未払い元金に毎年5%の延滞金が発生します。私は毎年約20万円を返済する計画ですが、滞納してしまうことも。それが続くと、返済金はまず延滞金に充てられるため、返しても返しても、元金が減らないんです」 借金 いわゆる「延滞金地獄」に陥ってしまった木村さんは、債権回収を担う民間業者から頻繁に督促の電話がかかってきたこともあった。  現在木村さんは東京近郊の実家で、年金受給者の母親と同居している。2年ぐらい前から認知症を患っている母親の介護をしながら教壇に立つ日々だが、一番上の姉が、面と向かって木村さんに「親の年金を食いつぶしている」と罵倒するのだという。 「姉は主婦ですが、夫が大手企業のエリートのせいか、僕に対して風当たりが強いです。他の兄弟は知らんぷりというか、冷淡ですね」  また婚活も40代前に苦い経験がある。 「30代の終わりに、東京湾クルーズの婚活に参加すると、非正規で収入が低いというだけで女性たちから避けられました。心が折れましたよ。専門性を持っていても、結婚の決め手にはならないということですね」  寂しそうな表情の木村さんだが、生きがいもある。それは学生との交流だという。 「卒論のアドバイスを求められた時は嬉しかったですね。担当クラスの合宿に参加して、学生たちとの交流を深めています。学問の世界には格差などないわけですから、学生たちに励まされていますよ」  今後はさらに「専門性を活かしたい。執筆したい、講演したい」と木村さんは窮状を打破するために、試行錯誤をしている。諦めずに、専門性をもっと広げて活躍してもらいたいものだ。<取材・文・撮影/夏目かをる>コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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