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歴史に名を残す人物には「信念」があった

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第159回 西郷隆盛 西郷隆盛という幕末の志士がいます。薩長同盟締結、江戸無血開城、廃藩置県や学制の制定といった功績を持ち、大久保利通、木戸孝允と並んで『維新の三傑』と評されている人物です。  西郷隆盛は「敬天愛人」という言葉を座右の銘として好んで使いました。彼がこの言葉を発想したのは、藩の実力者だった島津久光の怒りに触れ、島送りになった先の沖永良部島だったと言われています。  島流し先での生活は過酷でした。牢屋の広さはわずか2坪、四方を格子に囲まれているだけで扉もなければ壁もなく、雨ざらし、吹きざらしという環境です。そんな獄中生活で、彼は「獄中有感」という漢詩を作ります。  「獄中有感」には、「生死何ぞ疑わん天の附与なるぞ」という一句があります。「人の生死が天から与えられることに疑いはない」というニュアンスですが、この漢詩に「敬天愛人」の原点があると言われています。  西郷隆盛の人生は波乱万丈です。島津斉彬に厚遇された一方で、久光からは島流しという罰を受ける。月照という僧侶と錦江湾で入水自殺を図るが、自分だけが助かる。そうした出来事を獄中で振り返り、人の意思だけではどうにもならない部分に「天」を感じ、「敬天愛人」の思想に達したことは想像に難くありません。  信念は自分の過去を振り返ることで生まれます。何かを体験した瞬間は、その体験について思いを巡らせる余裕はありません。あとになって振り返り、ほかの体験と結びつけて考えることではじめて、「こういうことなのだろう」と納得し、言葉で表現できるようになります。その言葉こそ、信念です。  自分の体験(エピソード)から言葉(フレーズ)を作ると、それが信念になる。『人生を変えるマインドレコーディング』では、このステップを重視しています。人生は思い出すことから変わり始めます。行動する前にまず、「どうしてその行動をするのか?」という理由が必要だからです。
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西郷隆盛には冷酷非情な部分もあった
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