さて場所を変えて、今度は新宿御苑前。ここにもテラスのあるクラフトビール専門店がある。 　「ベクタービア」。隣接する2号店や、自社の醸造所で醸造したビールを提供する、クラフトビール専門店だ。 　11あるタップ（蛇口）のなか、こちらの一番人気はジャパン・グレートビア・アワーズ2019で金賞に輝いた「ねこパンチ」。 「いま人気のIPA（インディアペールエール）は香りや味わいの強さがビール好きには好評ですが、味の強さが苦手という方もいらっしゃいます。そこで良い加減のパンチ力を目指したのが『ねこパンチ』です」（西村円花さん） 　グラスに注がれた金色をグイッと傾ければIPAにも似た柑橘の香りだが、より爽やかで軽い口当たりが、乾いた喉をたっぷりと潤してくれる。確かにこのバランス感は「ねこパンチ」。クラフトビールに合わせる肉は牛タンだ。 　肉の味が濃く、適度な脂があり、独特の香りもある牛タンとビールの相性が抜群だというのは、好事家にはつとに知られている。 　炭火で焼き上げられた牛タンは、内部にほんのりピンク色を残し、バターにも似た香りを放つ。 　ザクッとした食感の牛タンから、にじみ出る脂をクラフトビールで洗い流せば昇天寸前！ 　馬肉との合い盛りとなる、“刺し盛り”の牛タンは、砂糖と塩でマリネをしたタンの芯を65℃で2時間加熱したもの。こちらは、よりなまめかしい食感となっている。 　テラス席は天井つきで、屋内からの冷気も流れてくる全天候型。 「実はテラス席って、秋が最高に気持ちいいんです」（西村さん） 　テラスと肉とクラフトビールにとって、残暑はもってこいの季節。食欲の秋本番はこれからだ！ ▼ベクタービア新宿店のビールと肉料理 「クラフトビール飲み比べセット」1000円、グラス（285ml）450円。「牛タン炭火焼き」1280円、「牛タンと馬肉のお刺身盛り合わせ」1480円、「春菊ボンバー」（フルサイズ）880円