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「地頭は悪い」と自覚する東大生の暗記術。円周率を覚えるにもコツがある

円周率を覚えるのにもコツがある

 もう一つは「方法の問題」です。いわゆる「暗記術」というやつですが、これができているかどうかで、何かを覚える効率が驚くほど変わってしまいます。一度に大量の情報をまとめて覚えようとしたり、もしくは一度覚えたものをそのまま覚えっぱなしにしたりした経験はありませんか? 実はこれこそがモノを覚えられない原因なのです。  たとえば、今からここに円周率を30桁ほど書いていきますので、みなさんはこれを1分以内に暗記してみてください。 3.141592653589793238462643383279……  いかがでしょうか? これを一発で覚えられた方はいますか? いきなりこんな数字を見せられても無理ですよね。  なぜ無理なのかといえば、数字の並び自体が長すぎるからです。いきなり意味のわからない数字が30個も並んでいるさまを見せつけられても、情報量が多すぎて、一度に処理できなくなってしまうのです。  400gのステーキを一度に口の中に押し込むのは無理ですよね。自分の口の大きさ(処理能力)を超えるステーキ(情報)を取り込むことは、当然ですが難しい。誰しも口の大きさに違いはありますが、ここにいわゆる「地頭の違い」の本質が詰まっているのかもしれません。

細かく分類することで記憶が整理

円周率 それではどうすればよいのかというと、細かく切り分けてあげればよいのです。巨大な肉の塊にかぶりつくのが大変なら、ナイフとフォークを使って食べやすくしてあげればよいということです。たとえば、上の数列を次のように分割してみましょう。 3.14 1592 6535 8979 3238 4626 4338 3279……  一つひとつの数字が4つずつになって、ずいぶん取っ付きやすくなりましたね。一度に30個の数字を覚えるのは無理でも、4つの数字を覚えるのならなんとかなるのではないでしょうか?  4つごとの数字の列を覚えてしまえば、あとはこの4つの数字のグループの順番を覚えるだけで30個の数字を覚えることができます。数字の順番についても、4つのグループをまとめて覚えるのではなく、たとえば各グループの頭の数字だけ抜き出してみましょう。 3.14 1 6 8 3 4 4 3…… 「1から始まるグループ」→「6から始まるグループ」→「8から始まるグループ」……というように覚えれば、これもまた覚えやすくなりましたね。このようにして、情報を自分でも扱えるほどに細かく分割して、扱いやすくしてから覚えればよいのです。
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英単語も漢字も基本は同じ
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