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『進撃の巨人』を読んだ東大生が「世界史を学ぶ最強の教科書」と考える理由

民族紛争の構図は現実も作中も同様

民族紛争 同じようにしてよくわからないものの代表に「民族紛争」がありました。「中国では異民族との争いの中でさまざまな国が興っては滅んでいきました」といわれても、「民族対立の高まりが現代まで続く様々な争いの引き金となった」といわれても、「ふーん」としか感じませんでした。  確かに民族が違うからという理由で支配されるのはつらいことだと思います。  それに自分とは言葉も文化も違うような自分とは異なる民族の人が隣にいたら、すこし緊張してしまう気持ちもわからなくはありません。  しかし、どうして殺し合いに発展するまで争いが過熱するのかがよくわからなかったのです。 『進撃の巨人』を読んだことで、僕にも少し民族紛争が起こる理由がわかりました。この作品ではこの民族対立が起こる理由を、支配民族のマーレと被支配者のエルディアの二者を通して、ありありと描いているのです。

なぜ差別が生まれてしまうのか?

 たとえば、劇中ではエルディア人とマーレ人は同じ区域に暮らすことはできません。エルディア人は大きな塀で区切られた自治区の中でのみ生活が許されており、自由に内外を出入りすることは認められていません。  さらに外出する際にはエルディア人である証として、腕章を身につけることが義務づけられています。  これによって外見ではほとんど違いがないのに、エルディア人とマーレ人は外見で明確に区別されてしまいます。  エルディア人はマーレ人から常に差別をされ続けます。エルディア人は世界で唯一「巨人になることができる才能」を持つのですが、そのせいで世界中から恐れられ、「悪魔の血」と罵倒されます。
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今なお民族紛争が続くワケ
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