お金

荒れる金杯。競馬の鉄人3人が注目する穴馬。その根拠はどこにあるのか

金杯はなぜ荒れるのか?

 続いては馬券攻略誌『競馬王』の元編集長・松縄隆史氏だ。松縄氏も荒れる金杯を意識しているが、着眼点は変速開催における調整能力を調教師から判断するという視点だ。  ひと昔前、金杯といえば「荒れる」重賞の代名詞的存在で、実際に「荒れる金杯で初笑いを!」みたいなキャッチコピーをよく目にしたものです。荒れる要因としては、ハンデ戦であることはもちろんですが、それ以上に正月の変則開催である点が挙げられます。有馬記念が終わり、金杯まで間隔が空く上に、元日は全休日。普段とは異なる調教過程を強いられることで、思わぬ調整ミスが生じることがあるのです。  調教技術は進歩して、外厩との連携も強化。また、12月28日にも開催が行われるようになり、大きくレース間隔が空くことは少なくなりました。以前ほど、変則開催での調整ミスを意識する必要はないでしょう。  とはいえ、年に一度の変則開催となるだけに、一流調教師の管理馬を狙うに越したことはありません。  

東西金杯は伯楽の手腕に期待

 中山金杯はヒートオンビートに期待します。管理する友道調教師は全国リーディング3位(12月20日現在)。芝の中距離馬を育てさせたら、この調教師の右に出る者はいないでしょう。  ヒートオンビートはオープン入り後、4戦して2着3回。8着に敗れた京都大賞典は14頭立ての14番枠でした。中山コースは初めてになりますが、阪神コースで1-6-0-2、中京コースで1-0-1-0という急坂コース巧者なので心配無用。デビュー前から素質の高さが評判となっていた馬ですが、大事に使われて本格化の時を迎えました。飛躍の2022年にするために、ここはしっかり決めたいところでしょう。  京都金杯は短距離馬の育成に定評がある安田隆行厩舎のレッドガランに注目していたのですが、同馬は中山金杯へ出走する模様。それなら、2021年の全国リーディングを獲得した中内田充正厩舎のヴェロックスに期待しましょう。  ヴェロックスは2019年のクラシック三冠に皆勤し、2着3着3着。特に皐月賞ではサートゥルナーリアとアタマ差の接戦を演じた実力馬です。しかし、菊花賞以降、8戦して馬券絡みは1回のみ。往年の輝きは薄れつつありますが、ここ2戦は勝ち馬から0.6秒差、0.5秒差と大きく負けているわけではありません。馬場や展開ひとつでチャンスはあるはずで、人気も底値のここで、復活勝利を期待します。 中山金杯◎ヒートオンビート 京都金杯◎ヴェロックス
松縄隆史

松縄隆史(まつなわたかし)/馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライター

次のページ
京都と中山のコース特性を見抜く
1
2
3
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

記事一覧へ
勝SPA!
おすすめ記事