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東大生が参考にしている「“計画性が足りない人”が読むべき名著」ベスト2

○『私の財産告白』

(実業之日本社文庫)本多静六 著
私の財産告白

『私の財産告白』

 どれだけ裕福になろうとも、おカネの悩みは尽きないものですよね。「今年こそまとまった貯金を作る」という抱負を立てた人もいらっしゃるのではないでしょうか?  支出を最低限にして、残りを全部貯蓄に回せばお金は溜まっていくのだと、頭では理解できていても、欲望は止めきれません。 「まぁ、まだ今月は一回も無駄遣いしてないし……」「大変な仕事を終わらせたから、自分へのご褒美を……」なんて、いろいろな理由を捻出しては、ついつい無駄遣いに走ってしまうのが人間の性というものです。  この『私の財産告白』を書いた本多氏は、もともと東京帝国大学(現在の東大)で教鞭をふるっていたインテリで、日比谷公園の設計や、明治神宮の植林を行ったりした人物。東大で働いていたんなら、お給料もいいんじゃないのと思われるかもしれませんが、そうでもありませんでした。

なぜ「伝説の億万長者」になれたのか?

 実は、彼の初任給は月給にして約60円にすぎませんでした。明治25年当時は、総理大臣の月給が800円だった時代です。現在の日本国総理大臣の月給は、201万円ですから、これを参考にして推定すると、本多氏の月給は現代の貨幣価値に換算して、手取りで15万~20万円ほどということになります。  かなりの乱暴な概算ではありますが、それでも東京のど真ん中で暮らしていくには、そこまで豪勢な暮らしができる所得ではないでしょう。しかも、当時の彼は所帯持ち。それが、どうやって「伝説の億万長者」とまで言われるようになったのでしょうか。  本書『私の財産告白』は、本多氏が行ってきた貯蓄法を自ら告白するという異例の書になっています。お金持ちになりたい、もしくは貯金したいのに生活に余裕がないという方にこそ、お届けしたい一冊です。
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「報われる努力」には明確な裏付けがある
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