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いまの日本を支配する「岸田総理さえ逆らえない同調圧力」/倉山満

マスクなど、口オムツだ!

 哲学とは結局、「それは何か」「それは何の為にやらねばならないのか」の二つだ。では、「コロナが何なのか」「自粛を何の為にやらねばならないのか」を政府のアドバイザーの医者たちは、一度でも説明したことがあるのか。少なくとも私は一度も聞いたことが無い。 「命は尊い」式の小学生でも言える幼稚な作文や「自粛をさせたい」とするマッドサイエンティストの邪な欲望は腐るほど聞いたが。哲学なき医者などと生ぬるい言い方では済まない。岸田首相はヤブ医者どもを切り捨てる、強い意志を持つべきだ。自分がマスクをしながら「マスクはしなくていい」などと弱々しい言い方をしても響かない。はっきり言うべきだ。「マスクなど、口オムツだ! やめよう!」 と。  結局、コロナ禍が始まってから、総理大臣さえ逆らえない同調圧力が日本を支配している。理屈が通らなくても、「みんなが正しい」と思えばそれが正義、議論に応じることなく意見を強制して良いとの危険な風潮が蔓延っている。旧統一教会の問題もそうだ。

カルトたたきは自身がカルトになりがちだ

 断っておく。私は保守言論界の中では、最も統一教会に対して厳しい人間であると密かに自負していた。表立って言うことではなかったが、同業者に対しては「アイツらは統一教会みたいだ」「お前のやっていることは桜田淳子と同じ」と罵るのが常だった。その私からしても、今の旧統一バッシングは行き過ぎだし、見当違いの人間まで攻撃している。「旧統一教会の雑誌や新聞に関わったら悪」というバッシングすらあるが、そうした新聞や雑誌に関わる人間のすべてが悪魔な訳が無かろう。えてしてカルトたたきは自身がカルトになりがちだ。  そもそも宗教とは何か。信じている人にとっては「正しい教え」だ。 「自分が信じている教えは世の中に無数に存在する宗教の中の一つであって絶対ではない」などと考えるなど、極めて近代的な現象だ。そもそも西欧では、一つの国の中で複数の宗教宗派が共存できるようになることを近代化と呼ぶ。
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ならば言おう。マスクをしてない者だけが「統一」に石を投げて良い
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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