法人税特区で東京は圧倒的に独り勝ちできる【藤沢数希氏】
今週末、衆院選と都知事選が行われる。藤沢氏は、どうせ変わらない霞が関や国会議員よりも、都知事選に注目している。ほんの少しのアイデアと実行力だけで、東京はアジアで抜きん出るポテンシャルを秘めているからだという
⇒【前編】はこちら https://nikkan-spa.jp/347247
◆法人税特区で東京はアジアで圧倒的に独り勝ちできる。お台場カジノに期待!【後編】
(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
この数年、アジアでの都市間競争が激化していて、日本の都市はいつも負ける側だった。シンガポール、香港、上海などに世界の富が集まる一方で、東京からは出ていくばかりだ。一番の理由は税金だ。これらのアジアの都市は、企業や優秀な人材を惹きつけるために税金を安くしているのだ。所得税も法人税も10%台である。日本は、法人税は40%、所得税の最高税率は住民税と合わせて50%だ。これでは誘致どころか、優良企業もお金持ちも出ていってしまう。
外資系金融機関は、この数年で多くの機能を東京からシンガポールや香港に移した。こうして税収が減るのだから、結局のところ福祉へ回せるカネが減り、弱者へシワ寄せがいく。
僕はこれらの都市をよく知っているが、東京がダントツで魅力的な町である。レストランも最高だし、治安もいい。四季もあるし、香港みたいに空気も汚くない。だから、税金だけほかのアジア諸国並みに揃えれば、アジアのなかであらゆる点で圧倒的に魅力的な町になるのだ。
観光地として見たとき、ディズニーランドなど楽しい所はあるけど、夜も楽しみたかったら、やっぱりラスベガスやマカオみたいなカジノが欲しい。東京都知事に最有力候補の猪瀬氏は、企業誘致のための法人税特区や、お台場カジノに積極的な発言をしていた。東京から変わることを期待したい。
【今週の数字】
東京都単独のGDP
90兆円
東京都単独のGDPだけで90兆円もあり、これはオランダやスウェーデンより大きく、韓国やオーストラリアと同等。神奈川、千葉、埼玉などを含めた東京圏は人口、経済規模ともに世界最大となる
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは6万人に及ぶ。最新刊『「反原発」の不都合な真実』(新潮新書)が発売中
― 法人税特区で東京はアジアで圧倒的に独り勝ちできる【2】 ―物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
『外資系金融の終わり』 外資系金融の終わりのはじまり |
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