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宮崎駿引退会見「文化人にはなりません」【公式コメント全文公開】

宮崎駿

宮崎駿

 2013年9月6日、14時から吉祥寺第一ホテルにて宮崎駿監督の引退記者会見が開かれた。宮崎監督の引退については、9月1日のベルリン国際映画祭の会見でスタジオジブリの星野康二社長が発表。国内外の注目を集めており、本人の発言が待たれていた。

 海外メディアを含めた605人の取材陣が待ち構えるなか、まずは星野社長が登壇。簡単な挨拶ののち、14時2分に宮崎駿監督が鈴木敏夫プロデューサーとともに会場左手から入場。大量のフラッシュが焚かれる。

 冒頭で宮崎氏は「挨拶については『公式引退の辞』というメモをコピーしてお渡ししてあるので、あとは質疑応答で。一言だけ言っておきますと、何度も『やめる』と言って騒ぎを起こしてきましたが、今度は本気です」と破顔一笑。

 続いて、鈴木氏が「落ちぶれて引退していくのはかっこ悪い。『風立ちぬ』がヒットしている中での引退はよかった」と挨拶。すぐに会見は質疑応答に入った。

 いつ引退を正式に決めたのか、という質問に対しては「『もう辞めたい』『もう潮時だよ』と鈴木さんにずっと言ってきたので、よく覚えていません」と笑う宮崎監督。鈴木プロデューサーも「私もはっきりと正確には覚えていないんですが、6月19日の『風立ちぬ』の初号試写のあとあたりに話をしたと思います。その後、まずはスタッフにどう引退を伝えるかという話になり、8月5日にジブリのスタッフに引退を伝えました」とのこと。

 気になる今後について宮崎監督は「『公式引退の辞』に書きましたが、ぼくは自由です。やらない自由もある。でも、アトリエには毎日行きます。ただ、何をするのか、やりたいことはあるのですが、今は休息を取るべきとき。ここで『今後、何をするか』をお約束すると、きっとその約束を破ることになるのでこの場では申し上げません」と発言。

 ただ、「僕は文化人にはなりたくない。町工場のオヤジでいたいんです」と一部で噂された反原発などの社会活動に力を入れていくのではないかという見方をきっぱりと否定した。

 会見は一時間半に及び、「これまでの作品で一番棘が残っているのは『ハウルの動く城』。自分でやり出したから仕方ないけど、立ち上げが間違っていた」という発言も飛び出した。今後、ジブリ美術館の展示に力を入れるのか、短編アニメを作るのか、それともまったく予想もつかないようなものを作り出すのか。下記の「公式引退の辞」にもあるが、引退して自由になった宮崎監督が、これからの10年に何を生み出していくのかにまだまだ注目が集まりそうだ。

<取材・文/織田曜一郎(本誌)>

【会見で配布されたコメント全文】

公式引退の辞

宮崎 駿


 ぼくは、あと10年は仕事をしたいと考えています。自宅と仕事場を自分で運転して往復できる間は、仕事をつづけたいのです。その目安を一応“あと10年”としました。
 もっと短くなるかもしれませんが、それは寿命が決めることなので、あくまでも目安の10年です。
 ぼくは長編アニメーションを作りたいと願い、作って来た人間ですが、作品と作品の間がずんずん開いていくのをどうすることもできませんでした。要するにノロマになっていくばかりでした。
 “風立ちぬ”は前作から5年かかっています。次は6年か、7年か……それではスタジオがもちませんし、ぼくの70代は、というより持ち時間は使い果たされてしまいます。
 長編アニメーションではなくとも、やってみたいことや試したいことがいろいろあります。やらなければと思っていること――例えばジブリ美術館の展示――も課題は山ほどあります。
 これ等は、ほとんどがやってもやらなくてもスタジオに迷惑のかかることではないのです。ただ家族には今までと同じような迷惑をかけることにはなりますが。
 それで、スタジオジブリのプログラムから、ぼくをはずしてもらうことにしました。
 ぼくは自由です。といって、日常の生活は少しも変わらず、毎日同じ道をかようでしょう。土曜日を休めるようになるのが夢ですが、そうなるかどうかは、まぁ、やってみないと判りません。
 ありがとうございました。

以上


2013.9.4

―― 会見で配布されたコメント全文 ここまで ――


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