疲弊する年収600万円家庭の実像――妻が年収1000万円のママ友仲間に感化され…
9/9発売の週刊SPA!では『[年収400万円の幸せ]と[年収600万円の不幸]の境界線』という特集を組み、ほかにもさまざまな幸不幸のケースを紹介している。年収は高いにこしたことはない。だが、そこで強いられる“不幸”もあるようだ。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
「妻の憧れだった二子玉川に引っ越したのですが、“住む”と“暮らす”とでは全然違ったんです」
苦笑いを浮かべながら、そう語るのは、中堅企業のメーカーで営業職に就く年収680万円の今井浩介さん(仮名・42歳)だ。二子玉川と言えば、都内でもセレブ妻たちに人気のエリアだが、そこに住むママ友付き合いの影響で、家計が圧迫されているという。
「妻が二子玉で仲良くしているママ友の家庭は、旦那が外資系金融や大手企業勤務で、年収は1000万円超。そのため、飛び交う会話が我が家にはセレブすぎるんです。子供の教育に関することが多く、あそこの英会話がいいとか、豊かな感受性を養うにはこの時期しかないとか、昼間にママ友同士で情報交換しているみたいで」
セレブすぎるとはいえ、その環境にどっぷりと浸かる妻からしてみれば“我が子にも同じ教育を!”と思うのが親心というものだ。
「4歳になる息子には、ほかの子たちと同じように、英会話、スイミング、サッカー、ピアノ、打楽器を使った感情表現の教室などに通わせていて、月のお稽古代は12万円かかっています。さらに今年の夏は、ママ友に誘われて1日1万5000円もするアメリカンスクールのサマースクールに、7日間も通わせました」
習い事を減らし、家族で旅行して思い出をつくりたいと提案したこともあったが、聞く耳を持ってもらえなかったのだとか。
「妻の“ママ友の輪の中にいたい”という見栄の気持ちもあるのでしょうが、子供に教育が必要なのは事実です。私にできることは年収を上げることだけ。簡単ではありませんが、幸いにも今は係長で部下をマネジメントとする立場。自ら営業の数字を追いながらのマネジメントは大変ですが、昇進して課長になれれば、年収は750万円を超えます。今はそこを目指して汗を流す日々です」
二子玉川を離れればいいと思うのだが、家族の期待を一心に受けた今井さんにその気はない。たとえ年収が750万円にアップしようとも、二子玉川の1000万円超世帯のママ友仲間についていくのはしんどいと思うのだが……。
年収と幸せは比例しない――。
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