俺の夜
ジメジメしたこの季節。老婆が自宅兼店舗で経営しているカビくさいスナックで安酒を痛飲する毎日では、心まで滅入ってしまうもの。そこで今宵は、梅雨の不快指数をシュワッと吹き飛ばす、美女が自慢のビアガーデンを紹介しよう。
新幹線に乗り名古屋・栄に到着。同地は日本有数のビアガーデン過熱地帯。どこに行くか迷うが、“土地勘のない場所は老舗を選べ”の定石に従い、三越屋上の「ビアガーデン マイアミ」へ。
“名古屋のマイアミ”で待っとるよ~
客席数は600。バイキング形式でBBQ用の肉、野菜のほか、みそかつ、天むすなどの名古屋飯から麺類まで、豊富なメニューが食べ放題。肝心の生ビールも、国内競合大手4社、17種類の銘柄が飲み放題で、その他アルコール類も充実の品揃え。ジョッキ類は巨大冷蔵庫に常備され、常にキンキンの状態で飲めるところも嬉しい。バドガールがノリノリで接客
老舗にハズレなし――東京はどうか。美女パフォーマンスがウリの有名店「ビアカーニバル 新橋店」に突入してみた。バドガールによるノリノリの接客が名物の同店。「新橋サラリーマン男性の夜のテーマパークです」と、バドガールのリヨちゃん(26歳)が語るとおり、サラリーマン男性客でごった返す店内は、喧噪と嬌声が渦巻いている。
【ビアガーデン マイアミ】
住:名古屋市中区栄3-5-1 名古屋三越屋上
電:052-238-0051
営:16~22時半(土日祝は11時~)
料:食べ放題、飲み放題2時間30分制3400円~
※営業日、時期によって料金は変動。詳細は公式HP(http://www.mai-ami.jp)でご確認ください
【ビアカーニバル 新橋店】
住:千代田区内幸町1-7-8
電:050-5878-8985
営:17~翌0時
休:日祝
飲み放題、各種パーティコースあり。バドガールが目の前で作ってくれるカクテルも。19時、21時、23時に行う生ライブで、バドガール・スタッフと一緒に盛り上がろう
撮影/石川真魚
壇蜜、橋本マナミ、そして年代は上がるが吉田羊。最近“旬”とされる姉・熟女系タレントに共通するのは遅咲き感。「こんなイイ女がいたのか」という事実に直面したとき、世の中年男は喝采を送るのである。
それは夜遊びの世界でも例外でないことは、馴染みのスナックの常連客を観察しているとよくわかる。入店した新人キャストが20歳そこそこだった場合、「黙れ、小娘!」(『真田丸』室賀正武調)と親戚の娘をあしらうような態度に終始するのに対して、年齢が三十路以降だと目の色が変わる。夜のお店で働くまでの経緯、バックグラウンド、そして色恋遍歴にがぜん興味が湧いてきて「こんなコがいたなんて」となるのだ。
聞けば最近、人気の美熟女店が新店をオープンしたとのこと。早速、お店に向かうことにした。
ディープな恋バナに酔いは深まっていく
銀座の美熟女クラブ「OASIS ANNEX」。アンティーク調の照明、革張りのソファがしつらえてある瀟洒な店内は、夜の一等地という言葉がふさわしい。「いらっしゃいませ」
恭しく席についたのは4人の女性。30歳のしょうさん以外、四十路超えの美熟女たちだ。ロングドレスの奥から滲み出るような、年上女性特有の色香に、心地よい目眩を覚えながらもまずは乾杯。44歳最年長の美月さんが、やおら水割りをグビグビッと呷る。
「あー、おいしい。私と葵ちゃんはお酒担当なの。好きなのはウイスキーと焼酎ね」(美月)「美月さん、この前も一緒に飲んだあと、酔いつぶれて終着駅まで乗り過ごしたんですよね」(葵)
見よ、この女傑エピソード。カシスウーロンを2、3口飲んで「酔ったった~」と言う小娘に正座して聞かせたいくらいである。
美熟女キャストがディープな恋バナを披露
「30歳以上、年の離れた男性と交際したこともあります。フィーリングが合えばとりあえず付き合ってみようと思うので」(しょう)
「気になった人はとりあえず試そうって気になるからね。でもビビッと気になった人はだいたい既婚者なのよね。だから世の中、不倫だらけ(笑)」(美穂)
「この年になると駆け引きやどんな口説き言葉よりも、経験則で合うか合わないかはわかる。だから、気を引こうと奥さんの悪口言ったりするのは最悪かな」(葵)
「まあ、結局一番重要なのはカラダの相性。だけどこれだけは直感じゃわからないのよね」(美月)
「本音すぎるでしょ。それ、言っちゃうんだ(笑)」(美穂)
やはり初見の熟女は面白く、恋の予感に満ち溢れている。自分だけの黄昏流星群を見つけたい人は、ぜひ、同店を訪れてもらいたい。
住:中央区銀座8-6-20 銀座八番館ビル3F電:03-6228-5571
営:19~24時
休:土日祝
料:45分5000円(税・サ23%)
今年3月1日に「OASIS」の2号店としてオープンしたばかりの新店。30~44歳のキャストは常時20人。平均年齢は36歳
繁華街の奥地に必ず存在するのが、無数のテナントが入った雑居ビルの存在。料金システムが表示されているわけでも気のきいたキャッチコピーが打ち出されているわけでもなく、ただ「まどか」、「中西」などの人名表記の店名が妖しく光るネオン看板の威圧感は、一見客の肝を冷やすことこのうえない。この手の店の多くは、高級クラブに在籍していたホステスが太客を引き連れる形で独立開業というのが大半。夜遊びの新規開拓のため、歌舞伎町の奥地に何度か突撃を敢行したが、ママのファン歴ウン十年なんていう常連客とカウンターを共にし、過去の思い出トークをされる。
「スギナミよ。お前もここでこうして聞いとるとよ? ワシとママがどれほどの仲かわかろうもんじゃろうて、のう?」(『仁義なき戦い』山守義雄風)てな会話に終始。若僧の勇み足を咎められる形で、泣く泣く退散を繰り返してきた。セクシーダイナマイトなダンサー&キャストが勢ぞろい
一見客には厳しい雑居ビル系店舗での夜遊びであるが、ついに名店を発見。歌舞伎町、風林会館よりもさらに奥。人通りもめっきり少なくなった職安通りの手前ビルにある「Allure」というお店。ボックス席が5つほどとお店自体は広くないが、開店直後の時間ということもあり、店の中には女の香水臭が充満。ランジェリー姿のコたちがせわしなく動く様子が見てとれる。「至近距離でポールダンスを見れる、新感覚のパフォーマンスラウンジです。怖い場所にあるけど、明朗会計なので安心してね」(みやびママ)
チャージ料は10分1000円……と聞けばスナック派のスギナミとしてはチョイお高く感じるが、
「2時間以上は打ち止め」という、コイン駐車場のような料金システムを採用している。ポールダンスのショータイムは、明確な時間は決めてなく、お店の状況を見て適切なタイミングで始めるという。
ポールが始まる前に急ピッチでテンションを上げようと、女のコたちとの一気飲みゲームで場を温めていく。負けたのはのぞみちゃん。「チョー悔しぃ~」と言いながら、ソファに立て膝をついてセクシーポーズで酒を呷る。飲みながら「大丈夫? オ○○コ見えてない」、「平気平気、見えてもメモリ消去するから」とバカな下ネタの応酬が繰り広げられる。
街行く人たちの好奇な視線を背中に感じつつ、明るく、バカで、セクシーな夜の名店の誕生に、喜びを噛みしめるのであった。
【Allure】新宿区歌舞伎町2-20-11 玉野ビル2F D号室
電:03-3202-7155
営:20~25時
休:日・祝
料:10分1000円 120分以上フリータイム 原則ボトルキープ制(5000円~)
撮影/石川真魚