横浜市鶴見区――京浜工業地帯の一翼を担うこの地域に、ある奇妙な競争原理が働いています。
国道1号と鶴見川が交差するおよそ400m四方のエリアに、3つの巨大スーパー銭湯がひしめき合っているのです。関東最冷の水風呂温度(8~9℃)を誇る「ユーランド」、ジャスダックに上場している極楽湯(2340)系列の「RAKUSPA」、そして7年ほど前から“熱波師のタレント化”を打ち出し話題の「おふろの国」の3店です。三者三様の魅力があり甲乙つけがたいのですが、女子の誌面露出が大前提の「俺の夜」が取り上げるお店としては、“お風呂屋さんで働くアイドル”OFR48の本拠地でもある「おふろの国」一択でしょう。早速、同店を目指すことにしました。
お客様はハダカです♪温浴施設のマドンナたち
JR川崎駅西口から路線バスに乗ること10分、「おふろの国」に到着します。鶴見川を挟んだ対面には「RAKUSPA」があり、竜虎相討つというべき、ただならぬ緊張感を醸し出しております。「横浜では下町に位置するこのエリアはもともと銭湯が多かったこともあり、お風呂好きの地元のお客さんが多いという土壌があります。ここまで密集するとは想定外ですが、『その日の気分でどこのお風呂に入るか選べて嬉しい』と評判ですよ」(店長の林和俊氏)
競争過多の中、差別化を図らざるを得ない状況を楽しむかのように、お店のホームページは各種イベントが目白押しです。
「大手パチンコチェーンのイベントスケジュールのようだ……」そう呟いていたところ、フロント横の休憩スペースにしつらえられたステージに赤、青、黄の和装姿のOFR48の面々が登場。軽快で可愛らしい振り付けとともに代表曲「お客様はハダカです」を披露してくれました。
「お笑い担当のマッキーです。『芸はスベっても、風呂場ではスベらない』が身上です」
「女サウナーのあっちゃんです。年末は108回の年越し熱波も体験したんですよ」
ステージ後は皆、イチお客さんとなり、そのままお店のお風呂を堪能するそうです。「他のアイドルグループにはないファン層との交流を楽しんでます。この前も80代くらいのお風呂好きのおじいちゃんに『君たちに会うのが生きがいだから、まだまだ死ねない』って温かい言葉をいただいて、思わずホロッときちゃいました」(さとみん)
温浴施設を舞台に、通常では実現することのないファンとの交流も――となれば、長年の夢である“女のコとの混浴サウナ”も叶えたいものです。「取材限定のイメージ撮影なら……いいですよ」と笑顔で快諾してくれたメンバーとともにサウナ室へと向かいます。そこには、プロレスから熱波師に転身したサウナ皇帝こと井上勝正氏がいました。
「破熱波(パネッパ)!」のかけ声とともに顔面を目がけてタオルがあおがれます。容赦のない熱風が毛穴を開放し、汗だけでなく日々の苦しみや哀しみまでも放出。一緒に熱波を受けた女のコたちの肌の匂いも心地よく鼻腔を刺激する、アロマいらずの天然ロウリュサービスに癒される夜でありました。 【ファンタジースパ「おふろの国」】住:神奈川県横浜市鶴見区下末吉2-25-3
電:045-585-4126
営:11~24時
休:第3月曜日
料:平日700円~ 休日の営業時間、料金等の詳細はHPまで(http://ofuronokuni.co.jp/info/) 撮影/石川真魚
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スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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