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通勤ラッシュでも確実に座れる「始発駅」周辺は住みやすいのか? 現地に行って調査してきた

 東京で働く現代人のストレスのうち「満員電車」は、相当な比率を占めているはずだ。しかし単純に考えれば、折り返し運転や回送電車に乗車できる始発(起点)駅が自分の最寄駅なら、どんなに乗車率の高い路線でも必ず座れて、自分のスペースを確保できるに違いない。  本記事では、定期代と家賃の兼ね合い、都心までの乗車時間といった観点から各始発駅の住み心地を比較調査してみた。

飯能:若者が多い。ネックは都心までの通勤時間

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059902 飯能:若者が多い。乗車時間(池袋まで)40分 平均家賃 3万9000円(ワンルーム) 定期代(池袋まで)1万7260円/月 終電(池袋から)00:08  西武池袋線の始発駅である飯能駅。駅ビルにはショッピングモール「西武飯能ぺぺ(飯能PePe)」が入っている。元町・中華街行きまで直通で運行されるダイヤも日に15本ほどある。  有楽町線・副都心線の直通運転など、かなりの本数が当駅で折り返し運転をしており、南口はパチンコ屋とコンビニがある程度だが、北口にはちょっとした繁華街も形成されていて、ぎょうざの満州、居酒屋などチェーン店を中心に商店が軒を連ねていた。
一番活気があった印象

帰宅時間ということもあって一番活気があった印象

 今回、取り上げた駅の中では乗降者数が3万人以上と一番多く、若者も多い。また飯能市はいたるところにアニメキャラが氾濫していることでもネットでは有名だ。 アニメキャラが氾濫している

浦和美園:駅近くは何もないがイオンモールが便利

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059906 浦和美園:イオンモールが便利乗車時間(駒込まで)31分 平均家賃 3万8000円(ワンルーム) 定期代(駒込まで)2万5560円/月 終電(駒込から)00:06
浦和美園は空が広かった

浦和美園は空が広かった

 埼玉高速鉄道の起点駅、浦和美園は、02年ワールドカップの試合会場となった埼玉スタジアムの最寄駅として開業。埼玉高速鉄道は埼玉スタジアム線とも呼ばれ、南北線と相互乗り入れを行い、東急目黒線を介し日吉駅まで直通運転も行う。  1日の平均乗降者数は6千人程度だが、埼玉高速鉄道沿線の輸送人員は着実に増加傾向にあり、マンションなどの建設が着々と進んでいる様子。  住みやすさという点では、駅近くはコンビニとチェーン居酒屋がある程度だが、駅から徒歩6分ほどのところにイオンモールがある。生活するとなると車は必須かもしれない。埼玉スタジアムでのイベント開催時、特に浦和レッズや日本代表戦で利用者が急増するもよう。 浦和レッズや日本代表戦で利用者が急増する

東武動物公園駅:直通は便利だが犠牲も多い

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059911 東武動物公園駅:直通は便利乗車時間(北千住まで)36分 平均家賃 3万9000円(ワンルーム) 定期代(北千住まで)1万5580円/月 終電(北千住から)00:02 実際に住むとなると犠牲も多いだろう その駅名の通り当駅の西口から道なりに進むと、徒歩圏内に東武動物公園が存在する。日比谷線直通列車の乗り入れ区間であり、同じく南栗橋方面からの当駅への乗り入れ路線、東武スカイツリーライン急行のほとんどが北千住で伊勢崎線と直通運転を行っている。  半蔵門線とも直通し、一度も電車を降りることなく中央林間駅まで行けてしまうダイヤも。押上駅で直結する半蔵門線を介して、田園都市線の準特急が当駅始発・終着も設定されているためだ。東口にはドトールとコンビニ、西口にはタバコ屋一軒があるのみで、駅構内にはロッテリアと日高屋くらい。実際に住むとなると犠牲も多いかもしれない。

小金井:もはや移住に近い

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059916 小金井:もはや移住に近い乗車時間(池袋まで)70分 平均家賃 2万円代後半(ワンルーム) 定期代(池袋まで)3万7960円/月 終電(池袋から)23:34  新宿駅経由で横須賀線に直通する湘南新宿ラインと、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインが停車する小金井駅は、栃木県下野市に存在する。その気になれば、当駅から逗子(1日に8本ほど)や、熱海(1日に20本以上)まで行けてしまう。 栃木県下野市・小金井駅 車庫から出てくる湘南新宿ラインの車両に、すぐに乗れてしまうのは魅力だ。とはいえ、小金井乗降者数は4千人弱と印旛日本医大と並ぶローカル駅。生活するなら引っ越しというより移住に近い。 引っ越しというより移住に近い とりあえず駅の近くには観光案内所と広大な三井のリパーク以外に目立った施設はない。取材当日は生憎の天候で雪が舞っていた。

東葉勝田台:定期代を無視すればお得かも

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059919 東葉勝田台:定期代を無視すればお得かも乗車時間(日本橋まで)43分 平均家賃 4万7000円(ワンルーム) 定期代(日本橋まで)3万5140円/月 終電(日本橋から)00:12  東葉高速線の東葉勝田台駅は西船橋で東京メトロ東西線に直通運転を行う中野行き。中野からさらに三鷹行の中央総武線直通するダイヤも日に20本ほど用意されている。  乗降者数こそ飯能の半分ほどだが、付近を成田街道や東京環状といった国道が通っていることもあり、車の交通量は今回の調査した駅の中ではもっとも多い。 交通量は今回の調査した駅の中ではもっとも多い ファミレスやファストフード店なども国道沿いを中心に比較的充実している。東西を貫く路線の東側の起点であり、定期代が割高な気もするが、街の活気と家賃の兼ね合い的には、一番おトクかもしれない。 東葉高速線の東葉勝田台駅

印旛日本医大:一人暮らしの街ではない

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1059922 印旛日本医大:一人暮らしの街ではない乗車時間(押上まで)38分 家賃代3LDK 8万円代(ワンルーム賃貸なし) 定期代(押上まで)4万2870円/月 終電(押上から)23:08 ワンルーム物件は皆無 駅名に「印旛日本医大」とあるがキャンパスがあるわけではなく、付属病院があることからこの名が付いた。千葉ニュータウン地区に所属し、計画的に整備・デザインされたシムシティ的な街並みで、賃貸マンションや一戸建てが多く、ワンルーム物件は皆無。ざっと駅周辺を散策しても千葉を中心に展開するスーパー「ナリタヤ」と「マツキヨ」くらいしか目ぼしい施設は見当たらなかった。 新橋や品川を経由する羽田空港行ダイヤが何よりの魅力だろうか 当駅に停車するアクセス特急は、成田から日暮里などを経由し京成上野に至るが、起点駅の意味では、押上で都営浅草線・京急線の直通運転となり、新橋や品川を経由する羽田空港行ダイヤが何よりの魅力だろうか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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