ブラックバイトに苦しむ若者たち。時給300円!? 「人間のクズ」と罵倒され…
昨今、「ブラックバイト」という言葉が定着してきた。「ブラック」とはいうが、どうブラックなのか? 「ブラックバイト」と呼ばれる職場で働く人々を直撃、その実態をリポートする。
ブラックバイトの「過重労働」の実情について、関西学生アルバイトユニオンの青木克也氏はこう語る。
「私たちが相談を受けたケースですが、あるレストランでバイトをしていた20代の女性は、労働時間の取り決めがなく、月80~90時間は働いていました。時給に換算すると300円です。シフトが入っていない日でも呼び出されることが何度もありました。
例えば、夜の11時に店長から電話がかかってきて、『今何やっているんだ?』と聞かれたので、『もう寝ようかと思っていたところです』と答えると、『今すぐ店に来い!』と呼ばれる。彼女は専門学校に通っていたのですが、試験前に勉強していても『そんなヒマがあるなら店に来い!』と。
職場に行くのに難色を示すと『俺がこんなに大変なのにお前はわからないのか!』とか、『俺が倒れたらお前は責任とれるのか!?』と怒鳴られるなど、もう言っていることがメチャクチャです。彼女のバイト仲間の男性も過労死寸前まで働かされ、またしょっちゅう殴られていたとか」
◆「テストと仕事とどっちが大事だ!」と怒鳴られる
そのほか本誌取材班が聞いたケースでは、こういうものもあった。
「早朝から夕方までの勤務で休憩時間どころか休憩室もなく、昼食は立ったまま5分で食べなければならない」(スーパー・男)
「休憩なしで夜勤12時間。店長の都合で休日の深夜2時に突然呼び出され、シフトに入れられることも。勤務が終わったと思ったら、さらに残業しろと言われるのもしょっちゅう」(コンビニ・男)
ブラックバイトの現場では、休みをとるのも一苦労だ。
「テスト前なので休みをもらおうとしたら、『ふざけるな、お前は人間のクズだ!』と罵倒された」(コンビニ・男)
「月の労働時間は90時間以上。働く前に週何日、何時間働くかなど何の取り決めもなく、店長の一存で勝手に勤務時間を割り振られる。夜、寝ていたところを呼びだされて働かされたことも。『明日、テストなんです』と言ったら、『テストと仕事とどっちが大事なんだ!』と怒鳴られた」(飲食店・女)
ブラックバイトの現場では、多くのアルバイトが奴隷のようにこき使われているのだ。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
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