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「よかったら一緒に観光しない?」――46歳のバツイチおじさんは国連に勤める才女から突然デートに誘われた【第26話】

子供「パパ~ おかえり~」 小さくてかわいい2人の女の子が出てきた。 ドライバーは彼女らを抱き上げた。 ドライバー「おー、ただいま! ごっつ、ギチ、びっくりさせてごめん。ここは俺の家だよ。さっきのレストランでギチが家族に会いたいって言ったから、妻に電話して、紅茶を用意させたんだよ」 ギチを見ると、安堵の表情から一転、顔が緩み大笑いし始めた。 ギチ「ははははは~ キャプテン、あなた最高!」 俺「はは…ははは」 俺は無表情で笑った。 彼はギチを喜ばせるため、家に俺たちを招待してくれたようだ。 家に上がると、優しそうな奥さんは、とてもおいしいクッキーとミルクティーを用意してくれた。 妻「主人がお世話になりました」 俺「少しびっくりしました」 ギチ「ご主人ジョークが大好きですね。ここに来るのも内緒にしてたんですよ」 妻「ふふふっ、あの人らしいわ。実はね、さっきご馳走してもらったレストランが結構いいお値段したでしょ。それで、主人から電話がかかってきて、客人に申し訳ないから、紅茶とクッキーを用意しろって」 俺「……」 妻「トゥクトゥクドライバーと一緒にレストランで食事するお客さんって少ないのよ。あの人、それがとっても嬉しかったみたい。本当にありがとうございました」 ギチ「こちらこそ、今日はご主人の最高のジョークのおかげで最高な1日になりました」 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1147564

トゥクトゥクドライバーの家族

俺は少し感動した。 そして、一瞬でも彼を疑った自分がすごく恥ずかしくなった。 「なるほど、こういうことなんだな、異文化交流って。まずは相手を信じることから始まるんだね」 俺はギチという、心の優しい女性をますます尊敬した。 「もしこの娘と付き合ったら、人間的にめちゃくちゃ成長するだろうな」 ふと、昔読んだ恋愛本の一節が頭によぎった。 【真の恋愛には相手を尊敬する心が大切】 自分の中に芽生えた不思議な感情に少し戸惑いつつ、何か温かいものが心の奥底に芽生えたような気がした。 やがて、二人は同じゲストハウスに戻った。 一緒に観光デートして、また、同じ場所に帰るのはなんとも不思議な感覚だ。 ギチ「ごっつ、今日はありがとう! 私ね、明日からエラって村に行く予定なの。ごっつは?」 俺「俺、連載を書く仕事があって、あと二日はここにいると思う。ここみたいにWi-Fiのいい環境じゃないと写真が送れないから」 ギチ「じゃあさ、終わったら連絡ちょうだい。私、しばらくはエラにいると思うから」 俺「うん。連絡する。今日はありがとう」 ギチ「こちらこそ。右手でカレーを食べるごっつ、最高だったわ!」 そう言って俺たちは、別々の部屋のドミトリーに帰った。 俺はベッドの一階に横たわり、ギチのことを考えた。 「……俺のことエラで待ってるって、もしかして俺に気があるのか?」 ここキャンディーでは怪しい男につけられ、その恐怖から半ば花嫁探しをあきらめかけていた。 しかし、運命はどんなふうに転がるか、本当にわからない。

バツイチおじさんが物思いにふけりがちな2段ベッド

その日は朝早くから行動していたので、布団に潜り、少しばかり眠ることにした。 3~4時間ほど眠り、目が覚め、ベッドの中でまどろんでいると――。 ガチャガチャ……。 物音が聞こえた。 自分が寝ている二段ベッドの2階から、誰かが降りてきた。 若いアジア人女性のようだ。 俺は自分のベッドの上に若い女性が寝ていたことに気づき、少しドキドキした。 すると、ベッドから降りたその女性と目があった。 一瞬、時が止まった。
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なんて日だ!
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