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「今夜、君に恋に落ちてしまいそうだぜ」――46歳のバツイチおじさんはクサすぎるセリフをさらりと口走った〈第32話〉

突然、嫁さんにフラれて独身になったTVディレクター。御年、46歳。英語もロクにしゃべれない彼が選んだ道は、新たな花嫁を探す世界一周旅行だった――。当サイトにて、2015年から約4年にわたり人気連載として大いに注目を集めた「英語力ゼロのバツいちおじさんが挑む世界一周花嫁探しの旅」がこの度、単行本化される。本連載では描き切れなかった結末まで、余すことなく一冊にまとめたという。その偉業を祝し、連載第1回目からの全文再配信を決定。第1回からプレイバックする!  *  *  * 46歳のバツイチおじさんによるノンフィクション巨編「世界一周花嫁探しの旅」、今回の滞在地は7か国目インドです。前回、宿で知り合ったドイツ人美女コンビと運命的な再会を果たすも、英語力のなさから関係を深めることができなかったバツイチおじさん。落ち込んでいたところ、オーストラリア人ジャーナリスト・ケリーから食事の誘いが。灼熱のビーチで急展開を見せる南インド恋物語、ズンドコおじさんに恋の女神がついに微笑むか!? 「この子を連れて帰るなら、俺たち全員分のお金をお前が払えよ」――46歳のバツイチおじさんはアラブの荒くれ者に難癖をつけられた英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅」【第32話 哀しきピーターパイパー】 南インド・コーチンのゲストハウスで出会ったドイツ人美女二人組マラとキラ。南インドで最も美しいと評判のバルカラビーチで再会を果たすも、彼女たちが使う英語がほとんど理解できず、あまり仲良くなれなかった。 自分自身の英語力のなさに落ち込んでしまい、「花嫁探しの旅」に対する自信を失ってしまいそうになったが、そんな時、オーストラリアの女性ジャーナリスト、ケリーから一緒に食事をしようと連絡が入る。バラカラビーチに来て、偶然にも3人の白人女性と再会を果たすこととなった。南インドの楽園、バルカラビーチ。どうやらここで新たな恋の物語が生まれそうな予感がした。

南インドで一番美しいと噂されるバルカラビーチ 

翌日12時、ケリーと待ち合わせをしたバルカラビーチの崖の上にあるコーヒーテンプルというカフェに向かった。 ケリー「はい! ごっつ」 俺「やぁ、ケリー。いいカフェだね、ここ」 ケリー「インドではなかなかおいしいコーヒーが飲めないけど、ここはとてもおいしいの」 ケリーは相変わらず一眼レフカメラを首からぶら下げていた。さすがジャーナリストだ。

いつも首から一眼レフをぶら下げているケリー

オーストラリア人でネイティブイングリッシュを喋るケリーだが、一対一なら俺の英語力でも何とか理解できる。 それにしても、ケリーから連絡をしてくれるなんてどういうつもりなんだろう? 俺に少しは興味があるのか? 俺「ケリー、バックウォーターの船で撮った写真、フェイスブックにアップロードしてくれてありがとうね」 ケリー「びっくりしたの。ごっつをタグ付けして写真をアップしたら、物凄い人からイイね!が押されていて。ごっつってどんな人なんだろう?って興味が出てきたの」 俺「俺、世界一周花嫁探しの記事を書いてるって言ったじゃん。日本の友達や読者が、新しい花嫁を見つけることを応援してくれてるからだと思う」 ケリー「ふーん。でもそれってあなたの記事が人気あるってことだよ」 なるほど。さすがジャーナリスト、情報に対するアンテナが普通の人とは違う。
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俺「ケリーはどんな記事を書いてるの?」
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1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。Youtubuチャンネル「Enjoy on the Earth 〜地球の遊び方〜」運営中
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