横田基地にオスプレイ配備。地元住民の不安「沖縄で起きることは、東京でも起きる」
防衛省や外務省への要請行動をしてきた「オスプレイと飛行訓練に反対する東日本連絡会」事務局の近藤賢氏は、こう指摘する。
「’12年のMV-22の普天間配備に際して、防衛省は“10万飛行時間当たりの事故率1.93は、海兵隊機の平均事故率2.63より低い”として、MV-22が安全であるとアピールしていました。しかし、その後、事故が相次いだため、事故率も上がっており、昨年1月、『琉球新報』が海兵隊に確認したところ、’15年2月のデータで3.69と、極めて高いものになっています。そのためか、最近では、10万飛行時間当たりの事故率は『指標の一つにすぎない』と言うようになりました」
米軍基地周辺の自治体議員でつくる「リムピース」のメンバーで神奈川県相模原市議の金子豊貴男氏は「オスプレイが欠陥機であることは明白。それなのに、防衛省はかばってばかりいる」と憤る。
「防衛省は、オスプレイの主翼の両端にあるエンジン2基が停止する確率は、“100億時間(1万3000年)に1回”と主張していたのに、’14年10月、MV-22が揚陸艦から離陸後、エンジン出力を失って海に落ちるということがありました。また、オスプレイにはオートローテーション機能、つまり仮にエンジンが停止しても落下時の風圧でローターを竹トンボのように回しながら、ゆっくり安全に着地できる機能がないにもかかわらず、“ある”と主張しています」
⇒【写真】はコチラ(昨年12月、沖縄県名護市で起きた米軍のオスプレイ墜落事故) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1281821
昨年12月にMV-22が沖合に墜落した名護市の市議・翁長久美子氏はこう訴える。
「墜落現場では、海上保安庁は事故の調査どころか、オスプレイの残骸に触れることすらできませんでした。それにもかかわらず、政府は米軍の言うがまま、安全宣言。沖縄で起きることは、東京でも起きるということです。東京での事故が起きたときに、初めてその危険性に気がつくということになるのでしょうが、それでは遅いかと思います」(翁長氏)
取材・文・撮影/志葉 玲 写真/横田・基地被害をなくす会 時事通信社
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