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「これが南米美女の全裸か。美しい。美しすぎる!」――46歳のバツイチおじさんは羨ましすぎる体験をした〈第35話〉

これに尽きる! ガルシアが海を見続けてる間、俺はそのことばかり考えていた。 ちらりとタコ野郎の顔を見ると、渋い顔をしていた。 ってことは、こいつもそれしか考えてないはず。 男の本能としてそう感じ取った。 「このタコ、エロいことを考えてるって悟られないようにすげーカッコつけてる。やはりこいつ、アホだ」 俺は必死に笑いをこらえた。 いま、ガルシアは、一体どんな表情をしてるんだろう? そっちのほうが1000倍気になる。 俺は恐る恐るガルシアのほうを見た。 「え? いない!」 なんとタコに気をとられてるうちに、ガルシアが消えてしまったのだ。 「アホは俺だ! こんなタコ野郎のことより、ずっとガルシアに気を配っとけば良かった」 俺たちに呆れて、何も言わず帰ってしまったのかもしれない。 最大の失敗をしてしまった。激しく後悔した、その時―― 後方から何やら足音が聞こえた。 振り返ろうとした瞬間、全裸の女性が俺の目の前を通過し、夜の海に向かって走って行った。 「ガルシアだ!」 ガルシアは俺たちの後ろで服を脱ぎ捨て、全裸になっていた。 満月の夜の海で、全裸で泳ぐ愛しのガルシア。 そのあまりにも美しい光景を見て、俺もタコも息をのんだ。 2人とも1ミリも動けないほど、そこには圧倒的な光景が繰り広げられていた。 ガルシアは海でひと泳ぎすると、全裸で俺たちの元へゆっくり歩いてきた。 その姿はブルームーンの月夜に照らされた人魚のようだった。 「……こ、これが、南米美女の全裸か。美しい。美しすぎる!」 その乳首は……その陰毛は……これ以上はプライバシーを守るため書けないが、一言で表現すると、完璧すぎるくらいの美しさだった。 この夜のすべてがそうだが、世の中には見た人にしかわからない美しさがある。 とても俺の拙い文章では伝えきれない。 もちろん、夜なので写真もない。 固唾をのんでスマホを握りしめていた日本のお父さん! ごめんなさい! やがて、俺たち3人は海に向かって走った。 そして、3人で水をかけ合い遊んだ。 まさに古い青春映画のような展開だった。 月夜に照らされた水しぶきと人魚のように幻想的に浮かび上がったガルシアは、この世のものとは思えないほど美しかった。 タコ vs 蛇 vsラテン美女のダンスで始まった奇妙な三角関係。 ガルシアとお別れする最終日にこんな素敵な関係になるなんて思いもしなかった。 ひと泳ぎが終わると、俺たちは全裸でビーチに座った。 生まれたままの姿で感じる夜の海風はとても心地よかった。 ふとガルシアの顔を見た。 彼女は何かをふっきたような顔をしている。 それが失恋の痛みなのかわからない。 だが、とても清々しい顔をしていた。 念のためタコ野郎の顔を見た。 とてもムラムラした顔をしていた。 1㎞先でもわかるぐらいのムラムラ顔だった。 「こいつ、やっぱりアホだ! なんでいまムラムラできんだよ!」 だが、この雰囲気はロマンティック。 全裸の男女。目の前は夜の海。 ここで変なことが起きてもおかしくない。 その時…… ガルシア「キャー!!」 俺「どうした! ガルシア!?」 ガルシアが体を手で抱えしゃがみこんだ。
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ガルシア「ごっつ、助けて!」
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