電気グルーヴ、デビュー26年にして“絶頂宣言”!「いちばんベストな、自分たちの聴きたいものができた」
――そんなふうになったのはこのアルバムからですか?
石野卓球:電気としては初めてだけど、俺としては『LUNATIQUE』(ソロ・アルバム。2016年8月リリース)からかな。作り方がね。
ピエール瀧:だから、高い視点から見渡しながら作るんじゃなくて、ほんとにアリの視点で積み上げていったら王国ができあがっていた、って感じ。で、あとからそれを俯瞰で見たら「あ、よくできてんなあこれ!」っていう感じ。
石野卓球:試行錯誤がない。作りたいものが決まってるし、しかも電気っていうのは瀧とふたりでやっていて「こういうふうにいこう」っていうのがあるから。テクノ・ディスコとアシッド・ハウス、わいわいやって楽しい娯楽。
――電気グルーヴって最初からそういう音楽だったのでは? と問われたら?
石野卓球:そう。それを普通にやる。考えなくてもそれになるし。あと、途中の過程じゃないもの。「今後どう変わるかわかりませんけど、こっちの方向の可能性もあります」みたいなのは、もうない。
でもほんと、新しいアルバムで『人間と動物』(前作アルバム。2013年リリース)がかすむとは思わなかった。作る時にもう決まっていて、改めて「どういうふうにしようか?」っていうのがなかったから。わかってるし、改めて言葉にして確認することすらないっていう。
歌詞にしてもさ……合宿に行く前に思ったんだけど、電気の歌詞は、笑顔で歌えるか、真顔で歌えるか、どっちか。悲しい歌とか怒りの歌は作らない。歌う時演技しなきゃいけない、そのたびにその感情にスイッチしなきゃいけない歌はなし、っていう。
ピエール瀧:キャラをまとわなくていいってやつね。
石野卓球:喜怒哀楽だったら、怒はない。哀はあるかな、ちょっと。
ピエール瀧:今回、GarageBandで作ってたじゃん。
石野卓球:そう、今回96%くらいGarageBandで作った。
ピエール瀧:コンピューターに向かってやってるのは同じなんだけど。今まではなんか作ろうと思ったら、牛尾(憲輔/agraph)を呼んで作ったりしてたけど、今回は作ってる作業台がいつもより近いというか。前はテーブルの上にMacを置いて作ってたのが、今回ヒザの上で作ってる感じっていうか。仮歌もMacに向かって歌って録ったりとか。
石野卓球:最終的にそのテイクが残ってるのもいっぱいあるよ。
ピエール瀧:その機動性と、あとGarageBandの中に入ってるサンプルとかも使えるから、入れたかった音まで辿り着く速さが……ちょっと違う音でも「とりあえずこれ入れとこうよ」みたいにして進められるし。
石野卓球:だいたい1ヵ月でできた、アルバムが。だからレコーディングがまいたんだよな。初めて、そんなの。
――GarageBandって初めて打ち込みで音楽を作る時とか、バンドのアレンジを考える時とかに使う、初心者向けの音楽制作ソフトですよね。
石野卓球:でもアラーキー(荒木経惟)だって、オートフォーカスのカメラで撮ってたでしょ? GarageBandって機動力があるし、スタジオに行かなくてもできるっていうのが大きい。
途中まではメモみたいな感じで、デモを作ってるつもりでいたんだけど、半分以上できた時、「ここまで来たら全部これで作っちゃえ」と思って。だから、「GarageBandでここまでできるぞ」っていうのもあるよね。
なんかね、作ってるのが楽しかった。だって、その最初の合宿のあとは、瀧は役者の仕事とかあったから、そんなに顔合わせてないもんね。下手すると、今までのアルバムでいちばん、会ってた時間は短いかも。
ピエール瀧:そうだね。でも、それでやりたいことがずれていくってこともなかったし、俺が作業に遅れがあるっていうわけでもなかったし。
石野卓球:ほんとニュートラルで、いちばんベストな状態で、いちばんベストな、自分たちの聴きたいものができた。
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