電気グルーヴ、デビュー26年にして“絶頂宣言”!「いちばんベストな、自分たちの聴きたいものができた」
――その最初の合宿の時は……たとえば『A』(1997年リリースのアルバム。シングル「Shangri-la」が大ヒットした)のレコーディングの時は「魔法の3日間」があった、とおっしゃってたじゃないですか。
石野卓球:ああ、もう「魔法の3日間」とか言ってる時点でダメ(笑)。じゃあほかの日は魔法じゃないんでしょ?
ピエール瀧:レコーディング合宿って言ってるけど、気分的には遊びだからね。
石野卓球:一緒にキャンプに行ったみたいな。ずーっと俺、裸だったし。
ピエール瀧:「酒はハコ買いだろ?」っていう(笑)。
石野卓球:写真見せてないよね、レコーディング中の。瀧、すぐ出る?
ピエール瀧:出るよ。(スマホをいじっている)これ(見せる)。
――(見る。全裸で作業している写真)はははは!
ピエール瀧:この感じ。
石野卓球:あ、2曲目の「東京チンギスハーン」に……「逃げて!」って声が入ってたのわかった?
――はい。昔、川崎クラブチッタの楽屋で、ケラさん(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)が某大御所パンクスにからまれて、まりんが「ケラさん逃げて!」って叫んだという、有名なエピソードの。
石野卓球:その時のまりんの声はもちろん録音されてないけど、最近、ナゴムのイベントでまりんが呼ばれて、そのオープニングで「ケラさん逃げて!」って叫ばされたのが残っててさ。
ピエール瀧:開会宣言的なね。
石野卓球:それをサンプリングして入れて。あと、「最高!」って入ってるじゃない? あれは、瀧を俺に紹介してくれた伊藤って奴の声なのね。(瀧に)説明してよ、あの声の経緯。
ピエール瀧:高2か高3の時に、こいつが人生(電気グルーヴの前身バンド)の前に愛情(I-JOE)って名前でライブをやってた時に、俺は客席にいて。ライブが終わってカセットレコーダー持った友達が、みんなの感想を録って回ってて。で、「ひとこと!」って言ってんのは俺の声で、「最高! 今まででいちばん」って言ってるのは伊藤の声なのね。
石野卓球:だからあれはまりんと伊藤、文敏と正則を通り過ぎていった男たち、っていう。
――やっぱり細部まで必然でできてるんですね。
石野卓球:そりゃ全部意味あるよ。「東京チンギスハーン」の「1,2,3,4」って声も、ギターウルフじゃなきゃダメだからサンプリングしてるし。
――この今のいいコンディションになることを目指して、ずっとやってきたみたいなところはあります?
石野卓球:いや、べつにそんなことないけど、気がついたらこういうやりやすい状態になってた。
ピエール瀧:目指したわけじゃないけど、気がついたらこうなってて、この状況、悪くないっていう。
石野卓球:まあでも、2015年の(ドキュメンタリー)映画とかもあって、理解しようとしてくれる人は前より増えたし、それでやりやすくなったっていうのもあるんじゃないかな。
うちらをパッと見て「なんだこれ?」ってただびっくりして拒絶する人もいるけど、「ああ、こういう人ね」って理解されるようにもなった。それはずいぶん違うと思うよ。その安心感っていうかさ。だから、うちらをより知ってもらおうとする必要もなければ、逆に突き放す必要もないしさ。
自分たちがニュートラルに、ここまで音楽をやってきて、じゃあ今はどういう音楽を奏でたいか、どういう方向に行きたいか、それがこれ、っていう。
で、基本的に今回も「ユーフォリック」って曲以外は、全部J-POPだと思って作ってるから。自分でサンプル盤に入れたんだけど、「ユーフォリック」のとこだけジャンルを「TECHNO」にして、ほかの曲は全部「J-POP」にしたから。うちらべつにテクノやってるわけじゃないじゃない? あくまでJ-POPっていうか、ポップスの括りの中でやりたい。
たとえば歌がちょっとしか入ってなくても、うちらにはそれはポップスでさ。「プエルトリコのひとりっ子」とか「顔変わっちゃってる。」とか、新しいポップスだと思うし。すごくいいですよ。全部いい。
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