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電気グルーヴ、デビュー26年にして“絶頂宣言”!「いちばんベストな、自分たちの聴きたいものができた」

――今の世の中の音楽状況は、電気グルーヴにとってやりやすくなっている感じはします? 石野卓球:どっちかっていうとやりやすいんじゃないの? EDMとかも……俺聴かないけど、その手の音楽、いわゆるエレクトリック・ミュージックへの偏見は減ってきていると思うし。  いまだにいるけどね、テクノを「ピコピコ」とか言ってる人さ。「ピコピコ」撲滅運動をしたい。違うって、古いよ、それ「エレキベンベン」と同じだって。これ書いといて、「テクノ=ピコピコ」じゃないって。 【ロングインタビュー】電気グルーヴ、デビュー26年にして「絶頂宣言」ピエール瀧:でも人懐っこい感じはあるよね、このアルバム。女子大生とか、聴いてくんないかなあ、とか思う。 ――これを作り終わったあとも石野さん、スイッチ切れてないまま? 石野卓球:うん、新しく曲作ったり、昔の曲を作り直してみたり、飛行機の中で聴いた曲を「これサンプルで使えるな」って、帰ってからそれをネタに作ってみたり。 ピエール瀧:ずーっとそんなことやってるよね。 石野卓球:今だって、うちのスタジオ誰もいないけど、シーケンサー、ループで鳴ってるもん。すぐ作業ができるように。 ――こんな状態初めてですか? 音楽人生上。 石野卓球:ここまでのはないかな。あと、年齢的なこともあって。もう先はそう長くないわけじゃん。やれるうちにやっておこうっていう。だから、レコーディングが終わって、しばらく休み的な日があったんだけど、そこで何やるかっていったらすることなくて、曲を作ってた。  アルバムの最後の「いつもそばにいるよ」とかさ、メロディが鼻歌で出てきて、「これ何だっけ、誰かの曲だっけなあ」と思ってさ。(瀧に)誰かの曲? ピエール瀧:(笑)。 石野卓球:人にきいたもん、「この曲聴いたことある?」って。「Yesterday」と同じだよね、ポール・マッカートニーが「この曲作ったんだけど、誰か聴いたことある?」っていう。メロディが全部いっぺんに出てきて……なんかあるんじゃない? 誰かの曲なんじゃない? 怖くなってきた(笑)。 ――瀧さん、今のそんな石野さんを見ていていかがですか? ピエール瀧:まあ、らしいとも言えるし、ここまでのやつはなかったから調子いいんだなとも言えるし。調子いい時は、泳がしといた方がいいじゃん。楽しそうだしね。 石野卓球:そう、昔もそういう時あったけど、昔は調子いいと個人の制作の方に行ってたのね。「今調子いいから、電気なんかやってらんねえ」みたいな。でも今は、それを電気に還元できるから。たとえばもし「今日から電気のアルバムを作れ」って言われたら、できるもん。2ヵ月あればできる、新しいのをもう1枚。 ――瀧さんの方は? ピエール瀧:まあ、変わんないね。今回はさらにずっと「へーえ」って見てる感じだったからね。まあでも、とは言いながらも、作業してる時とか、構成のとこだったりとかは――。 石野卓球:関与してないわけじゃないから。曲がここまでできたのを聴いてみて、瀧と一緒に聴いて構成を考えて、瀧が言うことも取り入れて……たまにとんちんかんなことを言って、無視することあんだけど。 ピエール瀧:(笑)。「あ、無視されてんな」って思う。 石野卓球:今Aの話をしてるのにこいつCのことをずっと言ってるな、っていうのに途中で気づいて、無視して。  あと、昔は瀧も、レコーディングに来れないと「俺もう関係ねえ」みたいな感じでタッチしなくなることもあったけど、今はそれもないし。来てなくても参加してるっていうかさ。だから……瀧の口から言いづらいだろうけど、やっぱりこれは2人組のグループのもの。っていうふうに、認めてやるよ。 ピエール瀧:(笑)。 ――どの曲もすごく電気だけど、どの曲も「こんな曲今までなかった」というものになっていますよね。 石野卓球:あのね、電気グルーヴのスタイルを知ってる人は、「こういうものだろう」って聴くかもしれないけど、いったん引いて俯瞰で聴いてみてほしいっていうかさ。特に「顔変わっちゃってる。」とかの奇形ぶりはさ……。  何も考えずに作っていったらああなったんだけど、5分半ぐらい尺あるでしょ? 12インチ1曲分ぐらいじゃない? かといって12インチのロング・バージョンみたいにイントロが長いわけでもなく、普通にAメロとかBメロとかあって、で、サビらしいサビがあるわけでもない。 ピエール瀧:でもちゃんと歌ものだしね。盛りつけがちゃんとしてるからさ、すげえきれいな料理に見えるんだけど、実は異質なもので盛りつけてある。あと二段重ねっていう(笑)。皿の下にまた皿、っていう感じとかさ。 石野卓球:しかもそれをGarageBandで、ママレンジみたいなおもちゃのキッチンで作ってるという(笑)。だからJ-POPって括りにしてるっていうのは、テクノとかそっちの音楽の異形のものっていうよりは、J-POPの異形のものって捉えられた方がわかりやすいから。
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今回のアルバムは『VOXXX』と似ている
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TROPICAL LOVE

前作『人間と動物』から4年振りのオリジナル・アルバム。親交のあるゲストが多数参加!

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