更新日:2021年09月23日 16:32
ライフ

「おっぱい」の“触感”を科学的に再現してみた。理想の温度、柔らかさ、手触り…

コンドームでリトライ

 翌日、京都工藝繊維大学の佐久間淳教授から「風船など、伸縮性のあるゴム製品に液体を流して固めてはどうか」というアドバイスを受け、再度開発に臨む。前日の材料と分量はそのままにして流れを少し変更し、前述の手順③を「粗熱を取り、風船に寒天を流し込んだ後、冷蔵庫で冷やし固める」にした。 ⇒【写真】はコチラ(実験の様子) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1289373
おっぱい実験

今回の再現実験で最もネックになったのが、この冷やし固める時間。約90分は長い……

 風船に液体を流し込もうと試みるも、圧が足りず風船は一向に膨らまず、寒天がまったく入っていかない。代わりにコンドームに注入することにした。冷やし固めた後、湯煎で36.2℃と体温に近い温度に戻した後、柔らかさを測定。結果は3.649kPa。前日の完成品との柔らかさの誤差はほとんど生じなかった。
おっぱい実験

風船がダメだったのでコンドームに流し込む。表面がヌルヌルしていて、手元が不安定なのが難点

 だが、その後の検証で、結ぶ位置によって“おっぱい”の柔らかさに変化が見られた。結び目が、先端の“精液溜め”に近すぎると柔らかさは10.43kPaで硬くなり、逆に根元に近すぎると1.638kPaで、柔らかすぎるという結果になった。“コンドームおっぱい”は、結ぶ位置によって中の密度が変わるので、柔らかさに誤差が生じやすい。だが、その点を差し引いても、見た目や質感はまさにおっぱいそのもので、なにより揉み放題なのがうれしい。Tシャツを被せると見た目と質感はさらにリアルに。その際偶然、結び目を前に持ってくることで、まるで乳首が立っているような見た目を再現できることも発見した。
おっぱい実験

見るからに柔らかそうなこの仕上がり。揉めてこそおっぱいだという方にはこちらがおすすめか

 柔らかさ自体の再現性では、裸のままの“寒天おっぱい”に軍配が上がる。一方で実用性は、コンドーム仕様のおっぱいが優れているという結果になった。 <簡単! ワクワク! おっぱいのレシピ>  “寒天おっぱい”の柔らかさはおっぱいそのもの。ただし耐久性が低いので、本物のおっぱい同様に大切に扱うべし。コンドームおっぱいは素の状態では精液溜まりが乳首に見える。Tシャツを被せれば手触りの“ゴム感”もなくなる。 ⇒【写真】はコチラ(完成した理想のおっぱい) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1289368
おっぱい

完成した理想のおっぱい

●材料 ・寒天3.0g ・水300cc ・コラーゲン7.4g ●手順 ①寒天とコラーゲンを水に加え、加熱しながら煮る。中火で約15分 ②寒天の塊がなくなり、均等に混ざり合ったらボウルやお椀に移す ③粗熱を取った後、冷蔵庫で冷やし固める。時間は90分前後 ④冷蔵庫から取り出して36.7℃になるまで湯煎して温める 柔らかさ:3.952kPa 温度:36.7℃ 表面:綿のTシャツ
コンドームおっぱい

コンドームおっぱい

Tシャツを被せたもの

Tシャツを被せたもの

(※)測定器で再現度を検証  今回の柔らかさの測定にあたっては、堀内電機製作所製の『柔さ計測システム SoftMeasureハンディ型HG1003』を使用した。  HG1003は、先端の弾力センサーが、対象に触れて沈み込むときにかかった圧力を基に、ヤング率(柔らかさ)を高精度で測定することができる。ハムなどの薄いモノにも対応し、機種によっては泡やクリームも測定可能。操作自体は連動するPC上で測定開始ボタンをワンタッチするだけ。  参考値としては、うどんが約100kPa。こんにゃくが約20kPa、鶏胸肉が約5kPa。化粧品メーカーや食品メーカーのほか、医療現場でも筋肉の張りを測定するのに使われている。 取材・文・撮影/キンゾー 姫野ケイ 福田フクスケ 六原ちず(中野エディット) 河本翔平(本誌) 取材協力/(株)堀内電機製作所 ― おっぱいを科学的に再現してみた ―
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