圧迫面接のリアル「なぜか恋愛観まで否定されて…」
大手企業を中心とした新卒採用の選考活動が解禁となった。そろそろ選考が進み、面接が始まる時期ではないだろうか。
面接を受けるとなれば、合否が人生を左右しかねないため、その緊張は相当なもの。フレンドリーに会話をしてくれるところに当たれば幸いだが、運悪く「圧迫面接」に遭遇してしまうこともある。圧迫面接とは、わざと面接官が意地悪な質問を投げかけることで志望者のストレス耐性などを見るとも言われる方法。その響きを聞くだけでも胃が痛くなってしまいそうだ……。
では、就活の先輩たちは圧迫面接をどのようにくぐり抜けてきたのだろうか。今回は、実際に新卒入社や転職活動の際に圧迫面接の地獄を経験したことのある20代の社会人を取材。その様子を詳しく教えてもらった。
紙媒体の広告代理店からWebの世界へ転職を試みたAさん(29歳・男性)の例を見てみよう。面接先は、IT系のマーケティング会社で、Webサイトの制作などを担当する部署だった。IT系のベンチャーということで面接官もまだ30代前半(推定)。Aさんとそこまで変わらない年齢に見えたという。だが、若くして成功をおさめたからなのか、漂うオーラは自信に満ちあふれていた。
その面接内容は、いきなりクライアントの特徴を指定され、どういったサイトを作るのか、アドリブでプレゼンさせられるというもの。
「街のメガネ屋さんのサイトを作るとしよう。だが、このクライアントは同業他社に比べて、価格も質もすべて負けてしまっている。君ならどのように突破口をひらく?」
現在、Web上には大小様々なサイトが日々新しく誕生している。だが、そのほとんどは似たようなもので、差別化が非常に難しいところではある。
Aさんは頭をフル回転させ、これまでの広告のキャリアを思い返してみた。だが、本当に“すべて”の条件が劣っているとは考えにくい。密にヒアリングを行うことで、なにかしら勝ち目が出てくるものだ。そこで念のため、「本当にすべてが劣っているのですか?」と聞いてみる。
面接官は少し考えた素振りを見せたのち、「そうですね」と返す。それならば、と。Aさんはサイトのビジュアルをとにかくぶっ飛んだものにすることを提案した。すかさず面接官が突っ込む。
「それで、たとえば?」
「たとえば……」
もちろん、たった今言われたばかりのクライアント像である。その場で考えるしかない。Aさんは前日に観たバラエティ番組を思い浮かべ、「TKO木下のコントで“しゃべれるようになったオモチャ”がメガネを欲しがっているイメージ」をホワイトボードを使って提案した。Aさんにとっては、咄嗟に出た渾身のネタである。ふざけているわけではない。大マジメにやるからこそ、面白いと確信していた。
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1329604
だが、面接官はクスリとも笑わず、無表情にこう言い放った。
「それで……?」
さすがにAさんも閉口するしかない。沈黙の時間が重苦しい。そして約1分後、面接官が勝ち誇ったように言う。
「はい、時間切れ。たしかに、ビジュアルで押すのは紙媒体の広告ならアリかもしれません。ですが、Webの世界ではビジュアルでは検索にかかりません。大手クライアントが奇をてらってやるならまだしも、街のメガネ屋さんだからね。意味不明です」
では、面接官の正解とはなんだったのだろう。
「価格も質も負けている、と言いました。でも、じつは別売りのレンズの値段だけは同業他社よりわずかながらに安かったのです」
「……(そ、そんなん知らんがな!)」
「うちならば、そこを全面にプッシュして作ります。もしもクライアントが提案を拒んだら、こちらから仕事を断りますね。それだけ私たちは、自分たちのノウハウにプライドをもっているのです」
選考結果は、不採用。圧迫面接だった挙句、不採用というのでは、たまったものではない。とはいえ、Aさんは面接を受けた会社がなかなか強引なやり方でビジネスをしていることがわかり、むしろ今では不採用で良かったと感じているそうだ。

ケース1、いきなりアドリブでプレゼンさせられる
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