更新日:2022年08月28日 09:32
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小池都知事の“職務怠慢”で保育園不足が加速!? タワーマンション建設ラッシュも実態調査すらせず

中央区の要望にも東京都は無回答

中央区勝どき5丁目に建設された大規模マンション「勝どきザ・タワー」

「動きが鈍い霞ヶ関や安倍政権を動かしてくれるのではないか」との期待を込めてAさんは小池知事に投票したが、改善される兆しはない。中央区もお手上げ状態だ。 「中央区では2010年に『街づくり条例』を作り、3000平方メートル以上の建物を建てるときには子育て支援施設の併設を要請できるようになりました。ただし強制力はなく、併設しない業者もいますし、その規模も数十人程度です。一気に1000世帯以上も増えるタワーマンションの、児童数増加の受け皿にはなりえていません。そこで都に対して『活用できる都有地を教えてほしい』と要望したのですが、無回答でした。5年前に比べて中央区(人口約15万人)は500人も年間出生数が増えているんです」(中央区の待機児童問題担当者)  「保育園問題に取り組む」と知事選で語っていたはずの小池知事は、タワーマンション急増による保育園不足の実態調査すらしていない、“職務怠慢状態”なのだ。 「小池知事は、補正予算で待機児童対策として146億円をつけました。でも保育園整備費に補助金を出したり、保育士の待遇改善をするなどの付け焼き刃的な対策を並べたりしただけでした。事態を悪化させているタワーマンションの規制に踏み込むことはしていないのです」(都政ウォッチャー)  待機児童急増の大きな要因となっているタワーマンション建設を放置したまま、その場しのぎの対策でお茶を濁すだけでは、まったく問題解決には至らない。小池知事はその発信力を活かして、国に「保育園義務化」などの抜本的対策を申し入れるべきではないか。 取材・文・撮影/横田 一 写真/時事通信社
ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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